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三毛犬ジョニーへの伝言

旧「自堕落な蟻」 ブログ名変えました。ジョニーは昔飼っていた可愛いビーグルの名前です。

メロディ8月号

秘密 season0 Extra.
長かった「悪戯編」が終わり、今月号の「秘密」は久々の一話完結型短編でした。

福岡の一家無理心中事件。
再生不良性貧血のドナーが見つからず敗血症を併発した長女の看護を苦に母親が夫と長女を道連れにした無理心中
だが、この一家には殺害された美花子の他に、もう一人娘がいた。
美しい姉美花子と、妹幹子。
父親の脳の映像には幹子の姿はほとんど映っておらず、妹幹子の情報収集は困難を極める。
父親は幹子を見ていない。彼女に「興味がない」から。

幹子は両親の「ある目的」のために産まれた子だった。。

子どもを平等に愛せない親は、案外多いのかもしれないです。
この親は姉ばかりを愛し、妹にはまるで無関心です。
しかも関心がないだけでなく、まるで人格を持たない「道具」であるかのように・・。

幹子の怒りと復讐には溜飲が下がったけれども、やはり後味は哀しいものでした。

本作では背景として青木、薪さん、幹子の、三者三様の「夢」と「現実」の対比が描かれています。
青木の幸福な夢と、辛い現実
薪さんの悪夢と、青木という「救い」のある現実
母親に愛されている幹子の夢と、残酷な現実

美花子と幹子という姉妹の名に、青木は長女への親の偏愛を察します。
青木の予想は確かに的中するのですが、幹子という名は良い名前だと思います。
むしろ私は美花子よりも好きです。
派手さはないけれど、芯が強そう、賢そうな名前です。
美しい娘美花子ばかりを愛した親たちは、幹子の「強さ」を侮ったのです。

今月号の名ゼリフ。
青木「呼んでいただけたら オレ加勢してさしあげますよ」
薪さん「夢だぞ」
青木「よんでください いきます いきますから」

・・・いいなあ(#^.^#)












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メロディ4月号

「秘密season0 悪戯 Act.13」
シリーズ最長だった悪戯編も、とうとう最終回。
カラー付き72ページと、読み応えたっぷりでした。
カラーページの美しさはいつもながら見とれてしまいます。
薪さんは無論ですが、青木ってこんなに美形だったのね。

本編の感想ですが、ネタバレを含みますので未読の方はご注意くださいませ。










今月号は神原先生の悲しみに心を打たれ、また出口を求めてさまよう彼女の内に秘めた怒りに慄きました。
大切な妹を悪意の塊のような子どもの「悪戯」で失い、犯人に適切な処罰が下されないばかりか、事を荒立てたとして被害者側の家族が非難される。
ズタズタに傷つけられた神原さんの家族は離散し、彼女の母親は車で崖から「ドラマのように」海に飛び込む。
読んでいて辛くなりましたよ。こんな理不尽があっていいのか。
フィクションとはいえ、昨今のネットの匿名バッシングなどをみると、実際にありそうだなと思えてしまうところが余計に怖い。

「化物」の子供は「化物」にしかならない
今ここで駆逐しておかないと 罰しておかないと また罪もない人を 殺めることになる
「法」が警察が 邪悪な子供達を野放しにしているから 私がここに閉じ込めた
彼等の 「つばき園」の 子供達の あの邪悪性は変わらない

神原さんのこの言葉、あまりに乱暴で独善的で、決して正しくはないですが、彼女のような境遇であれば無理もないなと思ってしまいました。
光やつばき園の子供を攻撃するのは、彼女としては正義の鉄槌を下したつもりだったのかもしれません。
でも本当は、妹のひなをいじめ殺した子供達への代理復讐だったのではないでしょうか。

ひなをいじめて死に追い込んだ子供たちに相応の罰を受けていれば、子供だから罰せられないというならその子を育てた親の責任が追及されていれば、、彼女や彼女の家族の未来は違っただろうと想像するとやりきれない気持ちになります。

彼女は給食をみんなと一緒に給食を食べられるようになった瞳子ちゃんの姿を見て、父親と一緒に喜びました。
他人の幸せを我がことのように喜べる人です。決して悪人ではないのです。
彼女の「正義」がこのまま、カウンセラーとしてアレルギーで苦しむ子や悩みを抱えた子を救う方向にのみ生かされていたら、と悲しく思います。

終盤光が病室のテレビで、シャチがオタリアの子供を弄ぶ映像を見ながら薪さんにこう訴えます。

あの女にとって「絶対悪」は僕や「つばき園の子供」で 自分は「正義」
その「悪」を滅するためなら 子供の誘拐も換金も「犯罪」ではない
テロリストが主義主張のために空港爆破するみたいに
すごくめちゃくちゃなことをしてるくせに 結局「正しい」ことがしたいんだ
そんな女が 子供を置いて逃げられる筈がない

動物が―人間が好奇心で ただ「面白い」から時々命を弄ぶ事があるって認めたくないから
だからこういう画を見ると「狩りの練習」だ「可哀相だけど必要」なんだって適当に理由づけして安心したいんだ

動物の中に人間の中に みんな自分の中に「邪悪さ」があるって認めたくないんだ

この光の言葉はなかなか深くて重いです。
確かにその通りかもしれない。人は独善的で、自分の中に隠された「邪悪さ」に目を瞑っているのかもしれない。

でもたとえそうだとしても、自分の生命の危機がかかっているときに「正しい」ことをした、子供の命を優先して助けた神原先生を、私は悪人とは思いません。
ただ人間は多面体で、見る人によって評価が変わるものです。
光にとって神原先生は、そういった鼻持ちならない独善的な大人だったのでしょう。

それは光も同じです。
薪さんから見た光と、青木から見た光のイメージはあまりにも違いすぎて、読者の私は翻弄させられました。

青木視点から見ると光に同情してしまうのですが、光は確実に神原さんを殺せるように滑り台に潤滑油まで塗って丹念にワイヤートラップをしかけるような、紛れもない悪童なのです。
見る者によってはやっぱり悪魔です。

この後、薪さんが光に与えるアドバイスが心に響きました。

おまえは青木が好きだろう
おまえはシャチより賢いから襲われるオタリアの恐怖や痛みが想像できるし
あの男が 青木が苦しむ姿を見たくないだろう
誰でもいい はじめは形だけでいい 「真似」だけでもいいから
「青木」でも「舞ちゃん」でもお前が好きな人の好きなところを真似してみろ
そうしたら
そのうちまわりの人が変わってくる
お前を見ると「青木」に対するように話しかけてくれるようになる
そして 動物を殺したりいたぶったりして遊ぶ「面白さ」より きっと ずっと
毎日が面白くなる 少しだけ 自分のことが好きになる

「好きな人の真似をしてみる」
これは光だけでなく、誰にでも有効なアドバイスです。
薪さんのおっしゃる通り。

薪さんのアドバイス通り、光は彼にとっての天使、青木の真似をして毎日を過ごしていましたが、一年後本物の「天使」になります。
血のつながりのない青木、舞ちゃん、青木のお母さんに看取られて。
穏やかな最期を迎えられて良かったなあ。青木に出会えて良かったなあ光。
思わず涙がにじみました。

今月号はやはり神原先生が切なすぎて。
彼女のお母さんは「ドラマのように」海に飛び込んで亡くなり、彼女はワイヤーに自ら突っ込んでいった。

本当にドラマのようにキレイに車がガケからとぶのか
本当にワイヤーで首が飛ぶんだろうか
ただ ためしてみたくなったのだ と。

消極的な自殺。
彼女たちはあまりにも辛い目にあいすぎて、感情が乖離してしまったのではないかと思いました。
過酷な境遇にある自分を真正面から捉えることが難しくなってしまい、我がことを他人事のように感じてしまうようになったのではないかと。

彼女が光や「つばき園」の子どもにしたことは決して許されることではありませんが、これが彼女の妹ひなをいじめ殺した子供たちに対して行われていたのだったら、さぞ読んでいてすっきりしただろうなあ。
と思った次の瞬間、ぎくりとしました。
光の言っていたことは、まさにこれかと。
光のいう「正義を装う大人の邪悪さ」は、私の中にもあるのだな、と。

清水先生は相変わらず、鋭い。

来月発売の「LaLa」6月号に、「45周年レジェンドお祝いイラスト&インタビュー」なるものがあり、清水先生のインタビュー記事が載るそうです。
「竜の眠る星」「月の子」「輝夜姫」LaLaに掲載された清水作品にも歴史とドラマがありますね。
清水先生が何を語られるのか楽しみです。














メロディ2月号

「秘密season0 悪戯ACT.12」
今月号は面白かった!
ハラハラしながら一気に読みました。
前号では光が何を考えているのかさっぱりわからなくて困惑しました。
誰かから脅迫されてああいう行動をとったのかとてっきり思っていましたが、考えてみれば光はそういう子供ではない。
死にぞこないの「鬼」を燻り出すための光の計画だったとは。

でも計画通りに事が進んだとはいえ、あまりにも危険な賭けだと言わざる負えません。
「鬼」が子供を全員連れて逃げようとするとは限らないです。
もし舞ちゃんが煙に巻かれてしまったら、光、青木に合わせる顔がないでしょうに。。
今ですら青木を窮地に追い詰めているというのに。

過去の凄絶な体験を思い出し、苦しむ薪さんが痛々しかったです。

青木の声に「うん」と答える薪さん。

ありがとう
おまえの「声」はあの時の手だ

青木の声に落ち着きを取り戻し、舞救出に向かう薪さん
先が気になります~!
青木早く現地に向かえ。薪さんと舞を助けて。

「大奥」の最終回、大団円でした。
できればもうちょっと和宮さまのその後を見たかった気もしますが、みんな前向きで未来に希望を持てる終わり方で良かったです。
「大奥」は本当に面白くて、毎回読むのが楽しみでした。
16年もの長期連載だったのですね。よしなが先生本当にお疲れさまでした、とお伝えしたいです。
私は特に綱吉編が大好きでした。
また最初から読み返してみたいです(*^^*)




「彼女は頭が悪いから」  姫野カオルコ著

私は東大生の将来をダメにした勘違い女なの?
深夜のマンションで起こった東大生5人による強制わいせつ事件。非難されたのはなぜか被害者の女子大生だった。
(アマゾンの紹介文より抜粋)

実際に起こった事件に着想を得たというこの小説、フィクションとはいえ当事者の生活環境や事件関係者の証言など作者の入念な取材が元になっています。
この事件は当時の報道で私も覚えていましたが、ネットで被害者のバッシングが起こっていたことまでは知りませんでした。

まず、プロローグでガツンとやられます。

(引用はじめ)
いやらしい犯罪が報じられると、人はいやらしく知りたがる。
被害者はどんないやらしいことをされたのだろう、されたことを知りたい。と。
報道とか、批判とか、世に問うとか。そういう名分を得て、無慈悲な好奇を満たす番組や記事がプロダクトされる。
なれば、ともに加害者と同じである。
(引用終わり)

この東大生の事件に関わらず、性犯罪系、特に一人に対して複数で悪事を働く輩には本当に虫唾が走ります。
が、記事を追う自分の内側に野次馬根性のようなものがなかったどうか、自省してしまいます。

本作の四分の三ぐらいは、事件の被害者と加害者、美咲とつばさのどうということのない日常が描かれます。
けれど何気ない生活の中に、事件につながる萌芽のようなものは感じられます。

つばさの共感力のなさ。選民意識が強く、食材や栄養の偏りに気を配る割にテーブルに肘をつく等のマナーに無頓着な歪な家庭。
美咲の我慢強さ、それと表裏一体の、卑屈ですらある自己肯定感の低さ。

事件のくだりと美咲がネットで誹謗中傷を受ける場面はあまりにつらすぎて、一気に急いで読みました。
よくこんな酷いことができるな。あんたら、ホントに人間か。

事件の後加害者の一人がこう独り言ちる場面があります。

(引用はじめ)
「公の場では口にしないけどさ。単細胞からヒトまで、頭が悪いやつ、身体が弱いやつ、不自由なやつは、弱者なんだ。弱者は淘汰されるんだ。弱肉強食なのが自然界なんだよ。なんでこの真実を覆い隠すわけ?これ真実でしょ。ナチュラルでしょ。
強者の余裕で、弱者をかばってあげてるんだよ。上から目線?けっこうじゃない。ボランティア、慈善、福祉、みんな上から目線の賜物だろ」
(引用終わり)

美咲に対しても「自分が輪姦されそうだとでも思ったわけ?あんたの大学で、あんたの顔で、あんたのスタイルで輪姦されるとでも思ったんですか?思い上がりっすよ」と怒る。

読んでいた最も怒りを覚えたくだりです。
強者とは何か。弱者とは何か。
学歴の良い人間が強者だとでもいうのでしょうか。
自然界で生き残ることが強者だというなら、現代なら時代に適応できる人間が強者ではないでしょうか。
学歴を鼻にかけて尊大に他者を見下した挙句、犯罪者に堕ちているこの男は間違いなく淘汰される側の人間でしょう。

(引用はじめ)
彼らは美咲に性欲を抱いていなかった。
彼らがしたかったことは、偏差値の低い大学に通う生き物を、大嗤いすることだった。彼らにあったのは、ただ「東大でない人間を馬鹿にしたい欲」だけだった。
(引用終わり)

学歴を鼻にかけた選民意識を持つ人間は、東大に限らずいるでしょう。
邪悪な人間も、貧富や学歴といった階級に関係なくいるでしょう。
東大生がこの事件を起こした事実はあるけれど、東大生がこんな人間ばかりだとはもちろん思いません。

救いのない物語ではあるけれど、加害者側の家族の中では、事件後のつばさの兄の冷静かつ的確な忠告にほっとしました。
そして美咲の通う水谷女子大学の教授の温かい言葉に、涙が溢れました。

不幸な事件の被害者に対しても野次馬根性を発揮するのではなく、この教授のように相手の心を察し、被害者の心に寄り添えるような人間になりたいと思いました。





メロディ12月号

「秘密 season0 悪戯 ACT.11」
もうすぐ次号が発売されるというのに今更ですが、秘密の感想を。

なぜ光は校舎を燃やそうとするのか。動機が分かりません。
青木に嘘をついて、押し入れから着火剤を盗んでまで。
光は青木のことだけは信頼しているように見えるし、青木を傷つけるような真似を進んでするとは思えないのですが。
それは舞を取り戻すための行動だったのか。
あのスケキヨみたいな仮面の人物に何か命じられたとか?
分からない。

そしてスケキヨ。
あの人だったんだ!
いえ彼女は光に対して明らかに憎しみを抱いていたのだから意外性はないのかもしれないのですが、何故か思いつかなかったです。
光には悪魔のような父親、児玉の影がつきまとっているせいか、スケキヨ仮面も男のようなイメージを持っていました。

彼女が光を憎む理由は本当に、小岩父子の事件だけなのでしょうか。
可愛がっていた児童が惨い殺され方をすれば、当然怒りに震えるでしょう。
何とかして報いをと思うかもしれません。
でもあれほどの行動を起こす動機には、まだ足らないような気がします。
以前彼女が床に倒れている女児を思い浮かべるシーンがありました。
もしかして彼女にはまだ何か秘密があるのでは。
もしかしたら光だけではなく、親の児玉にも恨みがあるのでは、といろいろ想像してしまいました。

息の詰まる展開なのに、時折入る青木と薪さんの楽しい掛け合いにほのぼのしました。

「おまえは舞ちゃんのことだけに集中しろ 狂犬病のチワワは僕がつかまえる」
「薪さんボケました?うちにチワワはいませんよ」

やっぱり青木はいいな(*^^*)

どうか青木がこれ以上傷つきませんように、薪さんの願い通りに。

そしてミミちゃん頑張れ。