三毛犬ジョニーへの伝言

旧「自堕落な蟻」 ブログ名変えました。ジョニーは昔飼っていた可愛いビーグルの名前です。

「白夜行」東野圭吾

ドラマと小説は別物・・、というのは分かってはいます。

しかし、しかし、この作品ほど後悔したことはありませんでした。。

「ドラマより先に、原作読んでおくんだった~!」

木曜日は何故かバタバタして、ドラマも最初のほうしか観ていません。

第一回目の、子役の演技は、それだけ単発ドラマにしても良いほど、出来が良かったと思います。

でもね、でも。。。

あの事件が、原作での要なんです。

小説では、雪穂、亮司の心情は、一切書かれていません。

彼らに関わった人たちに起こる、不幸な事件、不可解な事件、

それらを「その他」の人々の視点によって、描写しています。

だから余計にこの二人がミステリアスで、「その昔、何があったんだ?」と

読者は引き込まれるのです。


ドラマは、いわばネガポジ反転したかのような、雪穂、亮司主体の作り。

だからこそ、あの子供時代の事件の種明かしを先に持ってきたのでしょうが。。

あのドラマの、特に第一回目。あれを観ていなかったら、

この小説は、どれほど面白かったろう、と残念に思うのです。。


しかし・・小説の雪穂は、ドラマ版より、悪い女でした。。

同情すべき点はあるけど、彼女のような人が側にいたらと思うと、恐ろしいです。

優しかった友達をこれ以上ないほどの汚い手段で陥れる。

慈しみ育ててくれた義母は、・・・する。

ラストは、余韻の残るものでしたが、

私は「どうか雪穂に天誅を!」と願いましたよ。

たとえ子供時代に酷い目にあっていても、彼らのしたことは、許されないです。

「白夜行」は、恋愛ものではなく、ピカレスク、犯罪小説なんですね。

そう考えれば、面白かったです。

「白夜行」の続編のようなものに、「幻夜」という作品があるそうです。

こちらは二人を主体にした小説なんだとか。

本屋にあったら、買ってみようかな。

白夜行 白夜行
東野 圭吾 (2002/05)
集英社

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アライグマの苦悩。。

私は料理も掃除も好きではない、というダメ嫁です。。

立場上やらないわけにはいかないので、何とか適当に(ヲイ。。)やってますが・

唯一、主婦の仕事で好きなのは、洗濯!

これだけは楽しい。

うちは子供が小さいので、一日の洗濯物の量は半端ではないです。

一日に洗濯機を三回は回します。

小物は手洗いします。

でも、これだけは苦にならない。

大量の洗濯物を干して、乾いたものを取り入れると、小山が出来ます(笑)。

これを片っ端からたたみまくるのが楽しい。

何というか、「達成感」があるのです。


春が来て、暖かくなってきました。

洗濯物も良く乾いて、嬉しい!

・・と思っていたら、盲点がありました。。

今日、いつものように洗濯物をたたんでいたら、

「ぶえ~っくしょい!」と、乙女(誰がじゃ)にあるまじき、ものすごいくしゃみが出ました。

しかも4連発。

そうです。春といえば、アイツ。

花粉が洗濯物にまとわりついていたらしいです。

取り込む前に、ぱたぱたっと花粉を払うと良いといいますが、それでも出ますよ、くしゃみ。

息子に続いて、私まで花粉症になったのかも(汗)。

困ったぞ。

オープン・ウォーター

去年の夏ごろ、「もう海には行けない」「プールにしとけば良かった~!」などと

男女二人が海上でサメに囲まれるシーンを流して、

盛んにテレビで宣伝していた映画「オープン・ウオーター」。

アレを観て、てっきり「ジョーズ」みたいなパニック娯楽大作かと思っていたんです。


大きく予想が外れました。

これは、「ジョーズ」などよりはるかに怖いです。


休暇中にスキューバダイビングを楽しもうとした、やや倦怠気味の夫婦。

彼らは、アホなインストラクターが、参加者のチェックを誤ったせいで、

広大な海中に、二人だけ、取り残されてしまう。

見渡す限り大海原。

水も食料もない。時間だけが過ぎ、助けは来ない。

そして・・、彼らの周りを、サメがうろつき始める。。


低予算映画で、主演二人は無名俳優。

ほぼ海中を漂うシーンのみ。

サンダンス映画祭参加作品(←これでこの映画のマイナーぶりがお分かりになると思う)。


物語のメリハリは少なく、やや退屈に感じる方もいらっしゃるかもしれません。

これは、ドキュメンタリー映画に近いです(実話に基づいているそうです)。

でも、怖い。

アメリカ映画のお約束、予定調和(いろいろ酷い目にあったけど、最後はハッピー♪)がないのです。

以下ネタバレになりますが・・・.






この夫婦、一昼夜海上を漂い続け・・、夫は何かの生物(おそらくサメ以外の)に足を傷つけられたのが

もとで、失血死してしまいます。

夫の亡骸を抱いて、妻は嘆きます。

その二人の周りを、サメが・・、ぐるりと囲みます。

妻は夫の亡骸を離し、・・・自分の装備を全て外して、入水してしまいます。。

そのころには、アホインストラクターも、二人を海上に残してしまったことに気が付き

大捜索がなされていたのに・・・。


実話でも、この夫婦は、「行方不明」のまま、今に至るのだそうです。

映画は、この事件を骨格にして、想像で作られています。

二人を本当にサメが襲ったのか、夫婦はサメに食べられてしまったのか、映画でも謎を残した終わり方をしています。

この映画は、「サメの恐怖映画」ではありません。

見渡す限りの大海原に、取り残されることの、想像を絶する孤独と恐怖、を描いた映画です。

メイキングでは、専門家の方が、サメは決して獰猛な生き物ではなく、こういう場合でも、人を無闇に襲うことはない、と仰っているそうです。

実際、この映画の撮影でも、主演二人は本物のサメに囲まれても、笑顔で演技していたんだそうで(すごいや)。

実話のほうでも、夫婦を殺したのは、サメではなく、「孤独」なのかもしれません。

私があの妻とおなじ立場に置かれたら・・、やはり同じ選択をしたかもしれないです。

娯楽とは対極の、怖い映画でした。

また観たいとは・・思わないです(汗)。
オープン・ウォーター オープン・ウォーター
ブランチャード・ライアン (2006/07/19)
ポニーキャニオン

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悲劇である(下ネタ注意)。

以前電車の中で、背広の背中に乾燥飯粒を付けているサラリーマンらしき男性を見たことがある。

「ああ、小さなお子さんのいる家庭なんだな」

と、私は温かく見守った。

見守るのに忙しくて、教えてあげなかった(殴)。

こういう時、相手に恥をかかさずに伝えるのには、それ相当の度胸がいる。


話は変わって、今日。

娘二人の三時のおやつに、買い置きしてあったチョコパンをあげた。

二人が大人しくはぐはぐしているのを見てから、私はうつ伏せに寝っ転がり、読みかけの文庫本を開いた。

3時半。息子も帰ってきたし、そろそろ買い物に出かけねばなるまい。

義母に一歳の娘を預かってもらい、2歳の上の娘をベビーカーに乗せて、私は商店街に繰り出した。

まず、銀行へ。

お金を下ろしてドアを開けようとすると、私の後ろに並んでいた若い男性が、当惑したような顔つきで
私の顔を見ている。

あんな若者、私に気があるわけではないだろうし(殴)、何だろう・・?

もしかして何か顔についてるだろうか?と一応顔を側にあった鏡で見る。

次はドラッグストア。

洗剤を買う。

会計を終えて店を出るとき、店員さんが私の背に向かって、「あっ」っと言ったのが聞こえた。

何だろう何だろう。

ジーンズが破れてたとか??


私はそっと、自分のジーンズのお尻を確かめた。

「ぬるっ」とした感触が・・あった。。

手のひらを見ると、得体の知れないこげ茶色の、粘液のようなものが・・!!!


ななな、なんじゃこりゃ~~!!

手のひらからは、チョコの香ばしい香が。。

真理子め~。そういえばおやつのあと、私の背中に馬乗りになって遊んでた。。

私の尻に、チョコペーストをなすりつけたなあ!

しかも、この位置では、まるで私が超特急になったみたいではないか!

は~ず~か~し~!!!


私は買い物もそこそこに、脱兎のごとく商店街を駆け抜け、家を目指した。

ところが、こういうときに限って会うのである。知り合いに。。


「あ~、子供にやらイタズラされちゃってね。お尻にチョコ付けられちゃったのよ。あははは」

よせばいいのに、自分から白状してしまった。

その人は「子供が小さい頃は大変ね」と、流してくれたけど、別れ際

「ぷっ」と吹き出したのを、私は見逃さなかった。


もしかして、

「本当はビ○○ソを垂れたのに、子どものせいになんかしちゃって、ぷっ!」

とか思われたんじゃあるまいな。


違う。違うんだ~!濡れ衣だ~。

しまった。自己申告するんじゃなかった。

しかし、黙っていると、

「あの奥さん、この間お尻にう○こつけて歩いてたのよ」

と、あらぬ噂を立てられるかも知れない。

どっちにしても同じか。。


昼間からごろごろしていた私に、勤労の神様(そんなのいるかいな)の天罰が下ったのね。

もうごろ寝して本なんか読みません。

おそらく明日明後日ぐらいは・・(殴)。

「さびしいまる くるしいまる」

中村うさぎといえば、浪費の人、買い物依存症の人、という認識でした。

「週刊文春」には、もう長いこと、彼女のエッセイが連載されています。

買い物依存症で破産寸前!の中村うさぎは、客観的に見れば、いや見なくてもどこか壊れているのですが、彼女の書くエッセイはとにかく面白くて、当時私は中村うさぎを読むためだけに
「週刊文春」を買っていたのでした。

今の中村うさぎの文章は、どこかしこに暗さが漂っていて、あまり楽しくないです。
うさぎさんが言うには、彼女には「躁鬱」の気があるらしいです。
楽しいエッセイを書いていた頃は「躁」だったのかもしれません。

さて、中村うさぎの文庫新刊「さびしいまる くるしいまる」。

文春のエッセイを読まれていた方は、彼女が買い物依存症から抜け出した後、春樹というホストに入れあげ、破産の恐怖に怯えながら、彼のためになけなしの資産を蕩尽したのをご存知でしょう。

読んでいた当時は、私は「ホストに本気で入れあげるなんて、ネタでしょネタ!」と、思ってました。

この本には、その春樹への愛(うさぎさんにとって)と、自意識に、苦しんで苦しんで苦しみぬいたうさぎさんの、本音が書かれていました。

うさぎさんのエッセイを私が好きなのは、時に自意識過剰であっても、例えば林真理子のエッセイに見られるような傲慢さがないところです。

でも、うさぎさんは物事を深く深く考える性質と見え(それでなぜ浪費癖?ホスト狂い?と言われると困るけど)、この本にはまるで出口のない迷路を歩いているような、息苦しさを感じました。

本編では、「週刊文春」での連載のイメージどおり、春樹はアホだけど可愛い好青年だし、お金が尽きたことでかれと別れることになった(店に行かなくなった」顛末も、実に綺麗に書いてあります。

うさぎさんの内面の苦しみ・・、15歳も年下の美青年に実は恋してしまっているけれど、プライドがあるために表には出せず、気のいいタニマチとして振舞う彼女の、自己嫌悪のさまは、読んでいて苦しくなるほど書かれているけれど。
・・反論があるかもしれないけど、私は六条御息所を連想しました。。

「私は醜い。醜いババアだ。道行く人は私と春樹を見て笑っているに違いない・・。」

自意識過剰かもしれない。

でも春樹との縁は断ち切れない。自分の心を隠しても。
恋愛対象でなくても、ただのスポンサーでも。
資産差し押さえを食らっても、バカな奴と言われても。

そんな息苦しい状態のなかで、うさぎの夫の存在に救われました。
うさぎ夫は、ゲイ。
この夫婦は、お互いの裸を見たことがないんだとか(汗)。
夫は春樹の胡散臭さを見抜いていて、何度も彼女に忠告し、親身になって、助けようとしてくれます。
こういう夫婦の繋がり方も、あるんですね。。

本編「さびしいまる くるしいまる」は綺麗に春樹との別離を果たしたかのように書かれていますが、文庫本収録の「後書き」に、驚愕の!その後の顛末が書かれています。

文春には多くを語らなかったけれど・・、そうだったのね。

やっぱりホストはホスト。

うさぎの夫のほうが、春樹の本質を見ぬいていたんですね。

その後、うさぎさんは春樹の客であった女性の一人と、ひょんなことからメールを交換するようになったといいます。
彼女はうさぎのエッセイを読んで春樹に興味を持ち、指名したのだと。
そしてお金をつぎ込んだ挙句、酷い言葉で傷つけられ、投身自殺をはかったのだと。
一命を取り留めたもののいまだに身動きできず入院中だとか。

「私の本を読まなければ、こんなことにはならなかったのに。
大切な読者に、地獄の苦しみを味わわせてしまった。
本当に、本当に、申し訳ない。
彼女以外の全ての読者にも、心からお詫びを申し上げる。
私は年甲斐もなく、ホストに入れあげ、その軽薄な恋愛を無責任にエッセイに書いて
一人の女性の人生を狂わせてしまった。
それをここにご報告すると共に、深く謝罪いたします。」

・・とうさぎは締めくくる。

大怪我をした女性は、それは気の毒です。
しかし、「文春」の読者は、うさぎの愚行(!)を笑いつつも、「ネタなんでしょ、これ」と
思っていたはずです、多分。。
ホストに興味を持って指名したのは、その読者の自己責任だし、その後のことは、その読者とホストの責任です。
やっぱりうさぎさんは、ちょっと自意識過剰・・だと思います。

でも、彼女のそういうところ、私は好きです。

さびしいまる、くるしいまる。 さびしいまる、くるしいまる。
中村 うさぎ (2006/02)
角川書店

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