三毛犬ジョニーへの伝言

旧「自堕落な蟻」 ブログ名変えました。ジョニーは昔飼っていた可愛いビーグルの名前です。

2010年05月 の記事一覧

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4月読了本

近藤史恵「サクリファイス」

たまには読んだことの無い作家さんの本に手を出してみようかと、図書館で借りました。
自転車レース・・、スポーツ物かあ、と、はじめあまり気乗りせず読み始めたのですが、これがジェットコースターに乗ってしまったかのように途中で止められず、2時間ちょっとで読んでしまいました。
タイトルの通り「犠牲」がテーマなのですが・・、作中の「彼」に、「ナルト」のうちはイタチを連想してしまう私は相当の漫画オタクです

宇野千代「おはん」

宇野千代さんはつい最近までメディアでお見かけしていたように思うのですが、お亡くなりになっていたのですね。
お人柄がいかにも良さそうなところと、明治女性らしからぬ奔放な生き方が、現代の人々に愛されたのだろうと思います。
この方のエッセイはいくつか読んだことがあるのですけれど、代表作であり、また名作と名高い「おはん」を読んだことが無かったので、トライしてみました。
格調高い文章で綴られる、どうしようもない男の懺悔録です。
しかし、冒頭から引き込まれました。
おはんとおかよという、二人の対照的な女との間を行きかう、煮え切らない男の心情に、駄目な男だなあと思いながらも、何故か好感を抱きました。
まるで罰を受けるかのような、悲劇的な結末が待ち受けているわけですが、それさえも美しい絵画を見るかのような印象を受けました。


三浦しをん「光」

この方もまた、エッセイしか読んだことがありませんでした。
そしてエッセイのなかで、清水玲子先生の「秘密」を激賞して下さっていたので、勝手に好感を抱いておりました。
小説は本作が初体験です。

一読して、こんなに暗くて辛い話を書く人だったのかと驚きました。
津波で壊滅状態の島から生還した3人の子どもの体験した地獄と、20年後の出来事が描かれ、いやだいやだと思いつつも、ページをめくる手を止められませんでした。どうか彼らに救いをと願いながら。
もっとも痛ましく思ったのは、主人公の娘、椿です。
私は最後までこの子が哀れで痛ましくて、たまりませんでした。
「暴力は返ってくるのだ」と本の帯にありました。
幼い椿に加えられた暴力は、返ってくるのでしょうか。
小説のラストで、主人公夫妻が惨劇の島を遠く海から眺めると、椿の花が咲き誇っているのが見える、というシーンがありました。
あれは椿の将来の何かの暗示なのでしょうか。
どうか、椿に救いを、と願わずにいられませんでした。

本作は三浦しをんさんのほかの著作に比べると、かなり異色だったようですね。
今度は明るめの作品を読んでみます。


中山可穂「感情教育」
      「ジゴロ」

中山可穂さん、今はまっています。
女同士の恋愛をテーマにした作品が多く、またご自身もレズビアンであることを公表なさっているのですが、この方の小説はそうした色眼鏡を取り除いても、十分に読み応えがあります。

「感情教育」はかなり前に読んだことがあるのですけれど、もう一度読み返したくなって、文庫を購入しました。
結婚後の環境が少し似ているので、那智の追い詰められように、読んでいて苦しくなってしまいます。
そりの合わない家族に囲まれて生活するのは、一人でいるのよりも孤独なのですよ。。

「ジゴロ」はやはりレズビアンのストリートミュージシャン、カイを中心にした、短編集なのですが、中山さんの作品の中では軽めで、読みやすく面白かったです。
なかでも「ダブツ」が一番好きです。

 

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