来年の大河ドラマは浅井三姉妹の末娘、お江が主人公なので、書店では浅井三姉妹をテーマにした大河便乗本が平積みにされています。
浅井三姉妹、特に長女の茶々姫ファンの私としては、出版物の多いのは嬉しいのですけれど、あまりにも本の数が多すぎて、全てを買って読むことはとても無理。
パラパラとめくってみて、おおまかな内容と執筆者を確認してみて、・・という書店様には迷惑なことをしてしまっています。
やっぱり情報の質の良くないものもあるし、以前出版された本の再録に過ぎないものもあるし、何より茶々姫をコテンパンに貶しているものは鬱になるから絶対に見たくないです。
立ち読みの言い訳はここまでにして。
「江」関係の書籍で目を引いたものは、
まず、「江の生涯 将軍家御台所の役割」福田千鶴
一番面白かったです。
この本は他の大河便乗本とは、一線を画しています。
前著作のミネルヴァ書房の「淀殿」と同じく、一次資料を用いて独自の視点で自説を展開されています。
ドラマや小説では次男を贔屓したとか春日局と対立したとか、知られつくした人のようなお江ですが、ここまで史実のお江について追及された方はいらっしゃらないのではないでしょうか。
以前、歴史の嫌いな人が、「歴史なんて使い古されて黄ばんだノートをめくるようなもの。暗記するだけでなんの変化も面白みもない」と私に言ったことがあります。
ただ年号を丸暗記するようなやり方の受験勉強や、通説や俗説を鵜呑みにするような歴史の学び方は、なるほど「黄ばんだノート」なのかもしれません。
でも歴史学だって、科学のように、あるひとつの発見によって、それまでの通説がひっくり返されることだってあるのではないでしょうか。
福田千鶴先生の新説は、あまりに従来の通説と異なっていることもあり、歴史学に詳しい方には異論があるのかもしれません。
私も著者の打ち出されている新説全てを首肯するわけではなく、また真偽を云々するほどの教養もないのですが、素人の私にも、非常に興味深く読めました。
歴史は黄ばんだノートではない。日々進化し、生きているものだ。と、と感じさせてくれる一冊でした。
ただ、この時期に出版されていながら、福田先生、NHKに媚びる気はまるでないようですね
毅然としてて、好きです。
・週間漫画日本史「お江」
書店でこっそり立ち読みしようとしていたら、近くのレジにいた店員さんが
「そこで読むなよ。そこで・・」と小声でつぶやいているのが聞こえてきて・・、恐ろしいので買いました。
「立ち読みはご遠慮ください」とはっきり言われるより、怖かったです
いえ、悪いのは立ち読みで済まそうとしていた私なんですが~。
しかし、この漫画版「お江」当たりでした。
何と言っても茶々が聡明で誇り高くて、素敵なんです。
渋々買い取った甲斐があったというもの。。
・小和田哲男先生の本2冊
小和田哲男先生は、戦国史の池上彰だと私は思っています。
温和で知的な風貌と相まり、ゆるぎない安心と安定感が。
でも以前買った本の再録部分がほとんど、でした。
・江史跡紀行 戦国三姉妹の生涯を歩く 新人物往来社刊
淀殿の項が執筆者が大阪城学芸員の北川央先生だったので購入。
作家の書いたものや、内容の浅いもの、内容が古くさいと思われるものは、とりあえずスルー。
世間の評価を見て、中古市場が図書館で当たろうと思っています。
また、茶々姫ファンのご同士、紀伊さまの書評やご意見は、どこの情報よりも参考にさせていただいております。
この場を借りてお礼を
さあ、我が恋せし浅井三姉妹の大河ドラマ、どうなることやら。。
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