三毛犬ジョニーへの伝言

旧「自堕落な蟻」 ブログ名変えました。ジョニーは昔飼っていた可愛いビーグルの名前です。

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メロディ10月号

メロディ最新号買いました。

清水玲子の「秘密」がいよいよクライマックスのようです。

一体どうしてしまったんだ、薪さん??

この事態に対する薪の部下の対応の違いが、彼らの個性を良く現していて、うまいなあと思いました。

山本さん・・、やっぱりいいなあ。

今まであんまり目立たなかったけれど、深いキャラクターです。

青木はまだまだ青いか?
そこが彼のいいところではあるけれど。

「秘密」は第九という特殊な警察を舞台にしているので、登場人物が男ばかり。

紅一点の雪子さんはあのようなハンサムウーマン。

それがこの作品には合っているのですが、清水玲子先生といえばあの綺麗で繊細な絵。


エレナやベンジャミンのような美しい女性も(エレナは厳密に言えば女性じゃないけど)そろそろ見たくなりました。

薪さんだけが、凡百の女性よりも綺麗なひとなのですが。。

綺麗な男は薄命そうで、嫌だな。。


あと、「メロディ」で楽しみにしている連載は、よしながふみの「大奥」。

今号からもう家重ちゃんの治世になってました。

吉宗は死んでしまったの・・??

江島生島事件といい、なんだか淡々と話が進んでしまうなあ。

今のところ、綱吉編が一番好きです。

お伝の方が可愛くて。
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因果応報

もはや時効。とっくに時効。
白状します。

小学生の夏休みの宿題、ドリル以外はほとんど姉に手伝ってもらってました。

特に理科研究。

小学校6年間、夏休みの理科研究は、全て姉にやってもらっていました。

自分でやろうと思わなかったわけではありません。
でも何について書こう~?とぼんやり考えているうちに、意識は外へ、目線は漫画の棚へと向いてしまっていたのです。
まだ時間はあるから、いいや~と現実逃避しているうちに、8月も末に。

30日の夜、姉と二人で宿題の追い込みをかけていると、いつも睡魔が私を襲いました。

「まだ一日あるからいいや~」とほとんど白紙のままの理科研究の用紙を放り投げて、熟睡。

あくる朝目覚めると、枕元に表紙もちゃんとついて完璧に仕上がった理科研究が置いてありました。

あまりの私の呆けっぷりを不安に思った姉が、ほぼ徹夜で仕上げてくれたようです。


読書感想文も、4歳上の姉が以前学校に提出した感想文を、一言一句変えずに書き写して出したことがあります。

姉と違う学校だったので、バレたことはありません。

だって、本は好きだけれど、読書感想文も課題図書もキライだったんです


そして、夏休みの計画表を夏休み最後の日に捏造。
天気を記録する欄に少し困惑しましたが、おおむね31日の新聞には「夏休み中の天気一覧」というものが載っていました。
新聞社も心得たもの、私のような大馬鹿者の小学生が少なくないことを見越しているのです。


私は周囲に手を差し伸べられて、ゆうゆうと苦難をすり抜ける、戯け者でありました。



さて、時は流れ流れて、いまや私が3児の母。

子ども達が宿題に追われる番です。

と、言っても、最近の小学生の宿題は、私たちの時代に比べてかなり少ないです。


夏休みのドリル。

計画表。

読書感想文。

やる気があれば、自由研究。工作でも可。

と、いうもの。


ドリルも薄っぺらなもので、すぐに終わってしまいます。

あとは、自主的にやんなさい、と。

しかし小学一年、二年じゃ、余程のことがなければ自主的に勉強したりしません。

ここでハッパかける親も多いのでしょうが・・。

面倒くさい~。



ドリルは二人とも終わっていました。

計画表はあとでいくらでも捏造できるとして、あとは読書感想文。

図書館に二人を連れて行って、好みそうな本をチョイスし、さらにその中から一冊を選んで、アマゾンで注文しました。

作文用紙を与えて、「ちゃんと読んで感想書いてね」と、言ったのが八月初めごろ。


現在8月27日。

二人ともまるで手をつけた形跡がありません。

タイトルと名前を書いただけで、放置。。

「早くやれ~」と言うと、普段仲の悪い姉妹が、手に手を取ってプールへ行ってしまいました。


もう夏休みが終わってしまうぞ。

君達は不安にならないのか??

逃げていれば私かお兄ちゃんが助けてくれると思ってないか??


君らは30年前の私みたいだ。

これすなわち、因果応報・・・??

「バカ昔ばなし」 五月女ケイ子(え)細川徹(ぶん)

累計販売60万部の「新しい単位」、ベストセラー「レッツ!!古事記」でおなじみの、人気脱力系劇画家・五月女ケイ子ワールド満載のおバカで笑える昔ばなしの世界へようこそ!

「桃太郎」「笠地蔵」「ちから太郎」…。日本人なら誰もが知ってる「昔ばなし」をおバカ全開で語ります。

アマゾンの「内容紹介」より


ネットニュースでこの本を知って、「子ども達にうけるかも」とつい勢いで、ポチっと購入してしまったのでした。

アニメ日本昔ばなしのパクリと思われる表紙ですが、中身は当然似て非なるものです。
オタク系アニメや漫画を知っていないと、分からない箇所もあるかも。


桃太郎が鬼退治に出かけたあと、おじいさんとおばあさんは、桃太郎の入っていた桃の中はどうなっているんだろ?と好奇心に負けて桃の中を見てみると・・・!
中はなんと5LDK、ジャグジーバスやビリヤード台など娯楽設備も充実。
だが部屋には消されたばかりのタバコの吸殻と、日記帳が残されていた。
そこには決して外には出せない桃太郎の悩みが綴られていた・・。

「桃から生まれただけで桃太郎と言われるのはいかがなものか。貧乏な暮らしがつらい。
じいさんとばあさんの息が龍角散臭い。動物しか味方がいないのに鬼退治に行かされそう。
イヌやキジにいくら作戦を伝えても理解してくれない。やっぱり動物には無理がある・・」
桃太郎の悩みを知ってしまったじいさんとばあさんは・・「桃太郎の部屋」

あるところに何の変哲もないじいさんがいた。
じいさんのいる村には、村人にサッカーをして嫌がらせをする意地悪じいさんもいた。
ある日意地悪じいさんは何の変哲もないじいさんに、「家と畑をよこせ」と言う。
「勘弁してくれんか」というじいさんに、意地悪じいさんは「サッカーをしてお前が勝ったら勘弁してやる」と言う。
困りはてた何の変哲もないじいさんは、お地蔵さまに「どうかわしにセリエAの選手を紹介してください」とお願いし、その日の売れ残りのガーターベルトをお地蔵様にはかせてあげる。
するとその夜、じいさんの家の外から「オーレーオレオレオレー♪」とカチンと気に障る歌声が。。
見ると10体のお地蔵様がじいさんの家に集合していた・・。「キャプテン地蔵」

他にも垢で垢太郎ならぬガンダム(アカンダム)作っちゃうとか、命を救われた恩返しにおたまじゃくしが嫁として来たけれど、触るもの全てを生臭くして恩を仇で返す話とか、思わず脱力するお話が、これまたどっかから空気の漏れたような脱力するイラストで8話。

真面目な人には馬鹿にされそうですが、ストレス溜まったときの息抜きにいいですよ。

笑いすぎてお腹の筋肉が痛くなりましたが~


ですがこの本、私にとっては恐ろしい事態を引き起こしたのです。

アマゾンで注文したこの「バカ昔ばなし」。

なぜか剥き出しで、私ども子世帯の使う居間の(うちは二世帯同居です)、机の上にぽつんと置かれていたのです。

ななな、何故~?剥き出しでここに?アマゾンの封筒はどこに・??

と、頭を抱えていると、下から義母が、

「ごめんね~。私宛のかと思って開けちゃった。ちょうど私も通販で注文していたから。」

あ、そうか~。宛名の字、小さいもんね。間違えちゃうよね。

義母「しばらく見て、なんで私こんなの注文したんだろう??とうとう呆けたのかと思ってしばらく悩んじゃったよ~」

ガーターベルトつけた地蔵。ホストみたいな名前に改名させてもらう桃太郎。8個の〇ンタマ、ナウシカになるヤマンバ、テング殺人事件、「ばあさん!アカンダム、行きま~す!」

な、悩むよね、そりゃ・・。

・・ていうか、読んだのね??この本を??

お義母さま、私いつもこんな本ばかり読んでるわけじゃあ・・、うぐ。

アマゾンでは最近柴田よしきさんの本を買いまくったし、日本史の本も、他の小説も買っているのに、よりにもよって何故「バカ昔ばなし」・・。

嗚呼。

バカ昔ばなしバカ昔ばなし
(2010/12/22)
え/五月女ケイ子、ぶん/細川徹 他

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「聖なる黒夜」 柴田よしき

あらすじ
東日本連合会春日組大幹部の韮崎誠一が殺された。容疑をかけられたのは美しい男妾あがりの企業舎弟…それが十年ぶりに警視庁捜査一課・麻生龍太郎の前に現れた山内練の姿だった。あの気弱なインテリ青年はどこに消えたのか。殺人事件を追う麻生は、幾つもの過去に追いつめられ、暗い闇へと堕ちていく―ベストセラー「RIKO」シリーズから生まれた究極の魂の物語。

三センチ超の厚みの文庫が、上下2冊。
大変な長編です。

そして暗く、重く、残酷で、・・・淫靡。

しかしこのダークな世界、クセになります。
読みはじめたら止まらない。

「RIKO」シリーズを全て読み終わってから、その残り香を探すかのように本書に手を出したのですが、この山内練と麻生龍太郎というキャラクター、ものすごい人気なんですね。

BL(ボーイズ・ラブ)小説として受け取られる向きもあるのでしょうか。


そう言ってしまうと、同性愛を毛嫌いする人に敬遠されてしまいそうですが、本作は冤罪というものがいかに一人の純朴な青年の人生を狂わせていくかを、残酷なまでに描写しています。
何の関係もない外側の人間から見れば、あるいは雑多な事件の解決に追われている刑事から見れば、平凡でありふれていてつまらない、小さな事件。
そのつまずきが、慎ましく真面目に生活していたインテリ青年の人生を、滅茶苦茶にしてしまいます。
恐ろしいその描写、見事としか言いようがありません。


「RIKO」シリーズでは魅力はあるけれど悪い奴だった山内が、この作品で好きになりました。

上巻ではもう、山内が可哀想で哀れで、読んでいて辛くなるほどでした。

それでも、「聖なる黒夜」、バレンタインデーの夜、彼を助けたのが韮崎でなかったら、他の普通の人間だったなら、山内の運命はどう変わっていったのだろうと考えざるおえません。


韮崎は極悪人ではあるけれど、山内にとっては生きる気力を与えてくれた恩人であり、二人の愛人にとっては愛しい男です。

一方麻生は、石橋を叩いても渡らない揶揄されるほど、堅実に証拠を積み重ねて真実を突き止める天才刑事でしたが、この山内の事件では・・。
結局この一度の失敗が、山内のみならず、麻生自身の運命を変えていくことになります。


人間は多面体です。

単純に一括りに出来ない存在なのです。

それをこの作品ほど強く感じたことはありません。


あと、本書の装丁。

素敵です。うっとりするほど美しい。

本の内容にもあっています。

本を閉じるたび、表紙を眺めて、余韻に浸っておりました。


残虐な場面も多く、また男同士の性愛を取り扱っており、かなり濃厚な性描写もありますが、それだけの作品では決してありません。

登場人物が個性的で魅力的。

筋書きも安易な予想を裏切ってくれ、決して退屈させません。

上巻でばらばらに散らばされたピースを、下巻では一つの結末に収束していきます。

見事としか言いようのない長編です。

この作品に熱狂的ファンがいるのも頷けます。


・・でもやっぱり、緑子のリの字も出ないのは、「RIKO」シリーズファンとしては寂しかったり。。

聖なる黒夜〈上〉 (角川文庫)聖なる黒夜〈上〉 (角川文庫)
(2006/10)
柴田 よしき

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「小公女」 バーネット

日曜日の夕方、洗濯物を畳みながらぼんやりとテレビに目を向けると、BSで「小公女」のアニメの再放送をやっていました。

6歳の末娘は夢中になって見入っています。

娘も幼児向けの絵本で「小公女」のあらすじは頭に入っているものの、動く映像はやはり新鮮に感じるようです。

一緒にアニメを少し見ていて、感じたこと。

白人版おしんみたい・・。

思えば私はちゃんとバーネットの原作小説を読んだことがなかった。

子供向けの本とアニメとで、知ったつもりになっていただけで。

はてさてセイラちゃんは本当にこんなに超人的なまでに忍耐強いいい子なのか?


原作小説は伊藤整訳のものと川端康成訳のものがありましたが、川端康成版を選択。


小公女といえば、意地悪な人の代名詞のようなミンチン先生と性悪少女ラヴィニア。

ラヴィニアとキャンディ・キャンディのイライザは古典的意地悪女の代名詞のように子どもの頃は思っていましたが、原作のラヴィニアはそれほどではありませんでした。

ラヴィニアはもともとセイラとは気が合わす、彼女のことが嫌いなのです。

ラヴィニアのセイラに対する態度は、彼女が富めるときも貧しいときも変わらないのです。
常にセイラが嫌いなのです。
むしろ裏表のない人です。


ミンチン先生もそうですが、セイラをもっとも苛むのは、財産を失った途端に手の裏を返す、学校の料理番や使用人たちなのです。

転落した彼女を支えるのは、親友アーメンガードと女中のベッキーです。

ベッキーは女中達の中でも奴隷のような扱いを受けていた少女でしたが、優しいセイラを心から慕っています。
彼女が財産の一切を失ったと知ったとき、
「お嬢様が可哀想です」とセイラのために号泣します。

ベッキーがもし、情の薄い、我が身のことしか考えない人間だったら、他の女中たちのように手の裏を返して、いきなりセイラに冷たく当たったかもしれません。

また、セイラはミンチン先生や他の使用人から酷薄な扱いを受け、常にボロボロの衣服を着て、食事もろくに与えられず、飢えと寒さに苦しむようになります。

そんな人生どん底状態にあって、セイラはベッキーのために非情な大人たちに対して怒りを爆発させます。

「ベッキーは飢えを凌ぐために、ゴミ箱の中のパンを拾っているのに」と。

セイラもベッキーも、このどん底状態にあって我が身の不運を嘆くのではなく、心を通わせた友達の事を心底案じているのです。

読んでいて胸が熱くなりました。

読書家で空想好きなセイラは、「バスティーユに幽閉されたマリー・アントワネットを思えば、何ということもない」と自分の精神を高く保とうとします。
自分のことをお姫様、小公女と思い、気品を保とうとします。

多くの読書家と同様に、セイラは芯が強く、自分の世界を持っているのです。

ただ心優しいだけ、忍耐強いだけの人間ではありません。

表に出さないだけで、怒りのパワーも確かに持っているのです。

終盤そのパワーがミンチン先生に対して発揮されます。

終始いい子の絵本やアニメでは描かれないセイラです。

等身大の彼女に、胸のすく思いがします。


満たされているときに人に優しくあることはたやすいです。

人生どん底にあっても、セイラやベッキーのように、他人に対して優しく、思いやりを持つことができるでしょうか。

また相手がどういう状態であっても、アーメンガードのように変わらず友に接することが出来るでしょうか。

変わらない人こそ、強く優しい人。

それがこの作品のテーマなのでしょう。


財産のあるなしで態度を豹変させる醜悪な大人たちに怒りを覚えましたが、私は自分が気が付いていないだけでこんな大人になっていないかな・・。

お話好きの末娘に、子ども絵本よりももっと詳しい「小公女」を読ませたいけれど、この川端康成訳角川文庫はさすがにまだハードルが高いです。
新潮文庫の伊藤整訳もまだ無理でしょう。

あまり簡単だとテーマがぼやけてしまうだろうし、もう少し、小学校低学年向けの「小公女」はないかなあ。。


小公女 (角川文庫 (1706))

小公女 (新潮文庫)小公女 (新潮文庫)
(1953/12)
フランシス・ホジソン バーネット

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「月神(ダイアナ)の浅き夢」 柴田よしき

手足口病で次々と病み伏す子ども達の脇で、読書三昧。
嵌まりに嵌まったRIKOシリーズも、とうとう最後の巻。
一気に読むのが惜しくて、出来るだけちびちびと読み進めました。


(あらすじ転載)

若い男性刑事だけを狙った連続猟奇殺人事件が発生。手足、性器を切り取られ木にぶらさげられた男の肉体。誰が殺したのか?次のターゲットは誰なのか?刑事・緑子は一児の母として、やっと見付けた幸せの中にいた。彼女は最後の仕事のつもりでこの事件を引き受ける。事件に仕組まれたドラマは錯綜を極め、緑子は人間の業そのものを全身で受けとめながら捜査を続ける。刑事として、母親として、そして女として、自分が何を求めているのかを知るために…。興奮と溢れるような情感が絶妙に絡まりあう、「RIKO」シリーズ最高傑作。




若い独身の男性刑事、しかも美男子だけを狙った猟奇殺人事件。
捜査の陣頭指揮を取るのは、今は警部に昇進した高須。
高須は緑子に、「怖い」と弱音を吐く。
緑子は高須が唯一弱音を吐ける相手。高須いわく「自分の最低な部分を知っているから」

・・・あらやだ。何このナルシー男。
若い。独身。美男子。のキーワードで、星の数ほどいる男性刑事の中から自分が狙われると決め付けてんの??

第一作の緑子への蛮行が許しがたく、あまり高須が好きではない私は引き気味だった序盤ですが、「お前に被せられた汚名を返上してみろ」と、高須が緑子を本庁の捜査本部に呼ぶところから、俄然面白くなります。
今でも高須はリコが好きで好きでたまらないのね。もはやどうにもならないけれど。
リコは過去の高須の所業を「許さないけど呑みこんだ」と言います。緑子の強さが現れていて印象深いです。

さて、かって上司安藤との不倫が問題となり、高須をはじめ彼女を妬む同僚から「上司と寝て出世した女」という誹謗され、石つぶてを投げられるように本庁を追い出された過去を持つ緑子。

今でも緑子に対して不遜な態度を取ったり、無視したり、下品な言葉で罵ったりする刑事が出てきます。
でも、本作では彼女を誹謗して貶めるような人間は、それなりの取るに足らない人物だと分かります。

仕事の出来る大物刑事、山背警部や及川、円谷などは、緑子の実力を認めています。
緑子の奔放さなど、それはそれ、これはこれ、です。

人を卑しめて、自分が上に上がれないことの言い訳にしているような人間は、所詮それまでの男なのです。


今回も広く散らばったパースを、見事に一つの結末にと導いています。

麻生、そして山内も登場します。

と、いうより、この二人が影の主役のようです。


山内練。
何と魅力的な悪なのか。
最後の最後に、泣かせてくれました。

リコシリーズでもっとも印象に残る男といえば、この山内練、そして麻生龍太郎ですが、
シリーズ中もっともいい男といえば、リコの部下、坂上だと思います。

見た目ではなく、誠実さ、優しさという面で。

第一作でリコを庇って本庁の人間に殴りかかったり、本作では「他の人と組んだほうが出世できるかもよ」と言うリコに怒りの本音を漏らしたり。
酷い目にあった静香の気持ちを思いやり、自分も沈み込んだり。
情けの薄い男なら、傷ついている女性の気持ちを斟酌せず、敬遠したりするでしょう。
坂上は人の気持ちの分かる、いい人です。
静香さんと幸せになって欲しい。

緑子とこれでお別れなのかと思うと、とてもさびしいです。

山内と麻生の二人は人気が高いらしく、「聖なる黒夜」「所轄刑事麻生龍太郎」「私立探偵麻生龍太郎」と続編があるのですが、緑子の登場するものはないようです。

一人息子の達彦は、どんな子どもに成長するのか。
成長するにすれ、本当の父の面影を宿したりはしないのか。

安藤とは本当に入籍してしまうのか。

麻生との仲はどうなるのか。

実父との和解はないのか。

世田谷に配属された末の妹葉子の夫、長尾さんは登場しないのか。

静香は結局警察を辞めてしまうのか。


気になることがたくさんあります。

緑子主役でなくてもいいから、山内と麻生の物語の脇役としてでもいいから、緑子の消息が知りたいです。

できれば第4作目を書いて欲しいですが・・、もう10年以上も前の作品だから、無理なのかなあ。。

あと、話の本筋には関係ないことなのですが、気になったことがひとつ。
本作では、緑子の妹奈々子が過去の中絶手術によって卵管が閉塞し、不妊症になってしまった、と緑子に告白する場面があります。
デビュー作の「女神の永遠」にも、リコの恋人、バイセクシャルの陶山麻里が、過去に上司に弄ばれて二度堕胎し、その結果卵管癒着で不妊症になった、とリコに告白する場面がありました。

私は産婦人科の医師ではありませんが、不妊治療に長く通った経験はあるので、ちょっと一言。

女性の卵巣は二つあり、卵管も二つあります。

ひとつが癒着しても、もうひとつの卵管が無事なら自然妊娠は可能です。

卵管造営検査を受けると、どの程度の癒着なのかが明らかになりますが、この卵管造営検査を受けるだけで詰まった卵管が治ることも多いそうです。
(これ、私も受けたことがあります。検査後、生理痛のような痛みがあったのを覚えています。私の場合脳下垂体に問題があったわけですが)

検査で癒着が確認できれば、手術で治療は出来るはずです。

あまりにもガチガチに癒着していて、手術も無理と場合なら、最終的には体外受精という手があります。

健康な女性に比べれば、自然妊娠しにくくなったというだけで、卵巣と子宮が無事なのだから子を授かることは不可能ではないはずです。

麻里。奈々子。

子が欲しいと思うなら、まだ打つ手はあるよ。

もっともっと深刻な状態の不妊に悩んでいる人はいるよ。

どうか自分を、女として不良品になったとは思わないで欲しい。

・・・と、創作上の人物に呼びかけたくなりました(汗)。

特に陶山麻里。

不妊症になったと思い込んだりしなければ、ああいう人間に変貌しなかったのではないかと、彼女を哀れに思います。

安易な人工中絶は危険。まず避妊を心がけて、と読者に訴えるにはいいかもしれないけれど。



月神(ダイアナ)の浅き夢月神(ダイアナ)の浅き夢
(1998/02)
柴田 よしき

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「聖母の深き淵」 柴田よしき

あらすじ
一児の母となった村上緑子は下町の所轄署に異動になり、穏やかに刑事生活を続けていた。その彼女の前に、男の体と女の心を持つ美人が現れる。彼女は失踪した親友の捜索を緑子に頼むのだった。そんな時、緑子は四年前に起きた未解決の乳児誘拐事件の話をきく。そして、所轄の廃工場からは主婦の惨殺死体が…。保母失踪、乳児誘拐、主婦惨殺。互いに関連が見えない事件たち、だが、そこには恐るべき一つの真実が隠されていた…。ジェンダーと母性の神話に鋭く切り込む新警察小説、第二弾。


柴田よしきのデビュー作「女神の永遠」の続編です。

前作ではかなり特異なキャラクター(でも好き)だった緑子が、一児の母(未婚)となり、静かな幸福を得たためか、やや穏やかなひとになっています。
しかし、その分リアリティーがあります。
前作で極端な行動を取りがちだった高須ほかの脇役も、同様にリアリティーがあります。

それがこの残酷かつ凄惨な物語に現実味を持たせ、息づかせていると感じました。

そして、何をえらそうに、と思われるかもしれないのですが、巧くなられたなあと思いました。

冒頭の、覚醒剤容疑者の女の赤ちゃんに、緑子が我が子を思い出しながら乳を上げる場面から、現在の緑子の境遇や心境の変化が手に取るように理解できて、物語に引き込まれます。

序盤で緑子が辰巳の下町商店街を満たされた気持ちで歩くところ、物語の本筋に全然関係ないけれども好きです。
前作での修羅や緑子の苦しみを思い起こすと・・、感無量で。
もちろんそのままでは話が進まないのですが(汗)。

4年前の乳児誘拐、保母失踪、主婦惨殺、主婦売春、等の雑多な事件、ばらばらのピースが、見事に一つの結末へと収束していきます。

そして、前作では緑子に伍するような魅力的な男が出てこないとぼやきましたが、今作では強烈な個性を放つ男が登場します、二人も。

元刑事の私立探偵麻生龍太郎と、インテリヤクザの山内練。

特に山内練。

悪い奴なのに、どうしてそんなに魅力的なのか。


最も印象深いのは、終盤でリコが山内に向けて放った言葉です。


失うものが何もない者より、守るべきものがある者の方が強い。

何故なら愛するもののために、絶対に勝たなくてはいけないから。


全くその通り。
凄いよ、リコ。

掛け値なしに面白い作品です。

聖母(マドンナ)の深き淵 (角川文庫)聖母(マドンナ)の深き淵 (角川文庫)
(1998/03)
柴田 よしき

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「RIKO 永遠の女神」 柴田よしき

あらすじ

男性優位主義の色濃く残る巨大な警察組織。その中で、女であることを主張し放埓に生きる女性刑事・村上緑子。彼女のチームは新宿のビデオ店から一本の裏ビデオを押収した。そこに映されていたのは残虐な輪姦シーン。それも、男が男の肉体をむさぼり、犯す。やがて、殺されていくビデオの被害者たち。緑子は事件を追い、戦いつづける、たった一つの真実、女の永遠を求めて―。性愛小説や恋愛小説としても絶賛を浴びた衝撃の新警察小説。第十五回横溝正史賞受賞作。

以下、私の感想です。
話の本筋には触れていないものの、ネタバレが少々ありますので、未読の方はご注意ください。


読んだことのない作家さんにトライしてみよう、と何気なく図書館で手に取った一冊でした。

男性のようなお名前だけど、実は女性作家、程度の予備知識しかなく、どんな話かも知らないで読み始めたので、いきなりへビイな展開で驚きました。

事件の陰惨さもですが、主人公村上緑子(むらかみりこ)の身に起こった残酷すぎる出来事の数々。

私はこの手の性暴力が死ぬほど嫌いなので、この作品にも下手に予備知識を持っていたら、決して手を出そうと思わなかったかもしれません。


でも、惹き込まれてしまいました。

先が気になって気になって、一気に一日で読みきってしまいました。


事件そのもの、ミステリー部分は、それほど意外性はないのです。


この作品の魅力は、何と言っても主人公緑子という人物造形です。


「私にだって、欲しいと思う権利はあるはず」と、

リコはかって彼女を辱めた男に、レイプ(彼女いわく)という方法で復讐します。

それって強姦?と首を傾げないでもないですが、俺様的男性優位主義の男の鼻っ柱を見事に挫くことには成功しているのでしょう。

この男(高須)は以後、リコに忠誠を誓ったといってもいいほどの変貌を見せます。以後の作品でも彼女の最も信頼できる仲間として登場します。

彼女が左遷される原因となった不倫相手の上司に対しても、緑子は自分からアクションを起こします。

なぜなら、「欲しい」と思うから。

緑子は奔放です。

この主人公緑子の性格設定には、賛否両論あったようです。

娼婦が刑事になったようだ、という感想も散見しました。


でも、無能な女ならいざ知らず、緑子は仕事において優秀です。

出来る男が好色だと、「英雄色を好む」と好意的に受け取られるのに、出来る女が奔放で何が悪いのでしょうか。


緑子は警察という男性優位の世界にあって、過剰なまでに女性的な人です。

でもその女性的な力で、我が身に降りかかる災難を跳ね返しているように思うのです。


私は緑子が好きです。
何と言うか、小気味いい。同性として。
緑子という、かってないキャラクターにすっかり心を奪われてしまいました。


あえて気になる点をあげれば、登場人物の行動がやや極端なところ。感情過多なところ。みんなよく泣くところ。

モノローグが多くて、どれがだれのつぶやきなのか、ときどき混乱するところ。

あと、緑子という強烈なキャラクターに対して、男性陣が魅力薄です。

特に、安藤。

緑子よ、どこがいいんだ、あんな男。

まだ腐れ外道から忠実な友に変化した、高須のほうがましじゃないの。

と、毒づいてしまいました。



この作品は柴田よしきさんのデビュー作。

続編に「聖母の深き淵」「月神の浅き夢」があり、立て続けに読破しました。


どちらの作品も、この「女神の永遠」なんて若書きだったと思えるぐらい、面白いです。

緑子を凌ぐ魅力的な男も登場します。

こんな面白い作家を今まで知らなかったなんて・・、と今どっぷりはまっています。

幸せな蜜月です(笑)。

続編の感想はまた、後ほど書きます。

「女神の永遠」は、村上緑子という、他にはない魅力的なキャラクターを生み出した作品として、一読の価値はあると思います。

RIKO―女神(ヴィーナス)の永遠 (角川文庫)RIKO―女神(ヴィーナス)の永遠 (角川文庫)
(1997/10)
柴田 よしき

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進化するウィルス

息子の顔が、赤い湿疹に覆われてしまいました。

喉が腫れて、物を飲み込むのが辛いといいます。

口内炎も酷く痛むようです。

熱は下がったものの、ひどく辛そうです。

返す返す、夏休み中でよかった。。

手のひらもブツブツ、足の裏もブツブツだらけ。


手足口病です。

長女も感染しましたが、兄のほうがはるかに重症でした。



内科の先生の仰るには、手足口病はもともと乳幼児の病気だったのですが、近年ウィルスが進化し、長男のような中学生や、大人にまで感染するようになったのだそうです。

恐るべし。手足ウィルス。

息子は元気になり、食事も摂れるようになりましたが、何せものすごい顔なので、外に出せません。
塾に行かせたいのに。
受験生なのに~。


それに、


私は罹りたくないよう。

子どもと違って、病気になっても休めないんだよう。

5、6、7月読了本

「サラの鍵」タチアナ・ドゥ・ロネ
サラの鍵 (新潮クレスト・ブックス)サラの鍵 (新潮クレスト・ブックス)
(2010/05)
タチアナ・ド ロネ

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「七人の敵がいる」加納朋子
七人の敵がいる七人の敵がいる
(2010/06/25)
加納 朋子

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「愛の年代記」塩野七生
愛の年代記 (新潮文庫)愛の年代記 (新潮文庫)
(1978/03)
塩野 七生

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「小公女」バーネット
小公女 (角川文庫 (1706))小公女 (角川文庫 (1706))
(1958/06)
フランシス・ホジソン バーネット、川端 康成 他

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「逃げる男」シドニー・シェルダン
逃げる男逃げる男
(2003/10)
シドニィ シェルダン

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「残酷な王と悲しみの王妃」中野京子
残酷な王と悲しみの王妃残酷な王と悲しみの王妃
(2010/10/26)
中野 京子

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「赤々煉恋」    朱川湊人

赤々煉恋 (創元推理文庫)赤々煉恋 (創元推理文庫)
(2010/01/30)
朱川 湊人

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「RIKO 女神の永遠」柴田よしき
RIKO―女神(ヴィーナス)の永遠 (角川文庫)RIKO―女神(ヴィーナス)の永遠 (角川文庫)
(1997/10)
柴田 よしき

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「聖母の深き淵」柴田よしき
聖母(マドンナ)の深き淵 (角川文庫)聖母(マドンナ)の深き淵 (角川文庫)
(1998/03)
柴田 よしき

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「月神の浅き夢」柴田よしき
月神(ダイアナ)の浅き夢 (角川文庫)月神(ダイアナ)の浅き夢 (角川文庫)
(2000/05)
柴田 よしき

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「アクアリウム」 篠田節子
アクアリウム (新潮文庫)アクアリウム (新潮文庫)
(1996/07)
篠田 節子

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「所轄刑事 麻生龍太郎」 柴田よしき
所轄刑事・麻生龍太郎所轄刑事・麻生龍太郎
(2007/01/30)
柴田 よしき

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「聖なる黒夜」 柴田よしき
聖なる黒夜〈上〉 (角川文庫)聖なる黒夜〈上〉 (角川文庫)
(2006/10)
柴田 よしき

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戦国史やイタリア史、西洋音楽史の本も何冊か読みましたが省略。


「RIKO 女神の永遠」を読んで以来、柴田よしきの世界にどっぷり嵌っています。
こんな凄い作家を今まで読んだことがなかったなんて!
多作な方のようなので、読み漁るのが楽しみです。

蛇足だけれど、柴田よしきさん、図子慧さんのお友達なのだそうです。
ミステリー作家の横のつながりというのもまた興味深し。

ヘルパンギーナと手足口病

夏休みに入ったとたん、子ども達が次々とダウンしました。

まず二女。

38度の熱とのどの痛みを訴えるので、診察を受けてみると、

「症状から見るとヘルパンギーナ。でもこの後手のひらや足の裏に発疹がでるようなら、手足口病かも」と言われました。

その後二女には発疹は出なかったので、最初の診察どおりヘルパンギーナだったようです。

以前は何そのラテン女のような病名?と、頭の中でいちいちフラメンコを踊るサルマ・ハエックが頭に浮かんでいた「ヘルパンギーナ」ですが、毎年夏になると三人のうち一人は必ずかかります。。
恒例の夏病です。

今年は二女か。

4日後、今度は長女発熱。

妹のラテン女病が感染したか。
夏休みはどうしても姉妹べったりで過ごすからなあ、しょうがないか。。
と、病院でカロナールをもらい、二日ほど様子を見ていたら・・

昨日になって長女の口の周り、手のひらに赤い発疹が!

これが、今西日本で大流行しているという、手足口病???

二女のラテン女病がうつったのではなかったの??

もしかして発疹が出なかっただけで、二女も手足口病だったの?

まさかこれから二女に手足口病がピンポン感染する可能性もあるの??


いくら夏休み中とはいえ、病気ばっかりじゃ可哀想だなあ。。

私もストレス溜まるし


などと年子姉妹の心配ばかりしていたら・・

何と今日、長男発熱。

しかも、39度7分

ものすごい高熱です。

これはもしかして、まさかインフルエンザ??


勘弁してくれ。

受験生最後の夏休み。

大切な時だというのに~。


とりあえず、明日は朝一で病院です。。
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