三毛犬ジョニーへの伝言

旧「自堕落な蟻」 ブログ名変えました。ジョニーは昔飼っていた可愛いビーグルの名前です。

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「とりかえ・ばや」 さいとうちほ

とりかえ・ばや 1 (フラワーコミックス)とりかえ・ばや 1 (フラワーコミックス)
(2013/03/08)
さいとう ちほ

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私が高校生のころ、「ざ・ちぇんじ」という少女漫画が人気でした。

平安末期の古典「とりかえばや物語」を、氷室冴子さんが少女向けにアレンジしたものです。
山内直美さんの絵も可愛らしくて、きれいでした。
休み時間や自習時間には(勉強しろよ)友達の間でよくコミックスを回し読みしたのを覚えています。

今「月刊フラワーズ」で、さいとうちほさんが、「とりかえばや物語」をもとにした漫画を描かれています。

登場する人物は同じだけれど、氷室冴子版とは全く人物像が違って、とても面白いです。

特に魅力的なのは、女東宮。
氷室版ではやんちゃで勝気、我が儘な少女として描かれていましたが、さいとう版では、内気で大人しく、とても思慮深い、賢い皇女です。
まさに東宮。次代の帝にふさわしい懐の深さを持った少女なのです。

これなら、心は女の睡蓮(男)が惚れてしまうのも、分かるような気がします。

憎まれ役の梅壺の女御も、綺麗なだけでなく頭の切れる策謀家で、何だかかっこいい。

まだ物語は序盤ですが、先が楽しみです。


大昔「ざ・ちぇんじ」にはまっていたという方はぜひ。

古典「とりかえばや物語」の様々なアレンジ、解釈を楽しみつつ、少女時代の思い出に浸れますよ
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「黒王妃」 佐藤賢一

フィレンツェの名門に生まれたカトリーヌは、フランス王に嫁ぎ10人の子を得る。だが夫、アンリ二世の愛情はもっぱら寵姫ディアーヌ・ドゥ・ポワティエに向けられていた。その愛情を取り戻す意味もあった馬上での試合。勝利したはずの夫は、そのときの傷が元で急死してしまった。
夫の死後も、子どもたちと近隣王室との結婚話をまとめたり、幼いシャルル九世の治世では摂政をつとめるなど、才覚を生かして手腕を振るう。
肥満体だったため、黒衣を着ているという説もあるほどの美食家で、子どもたちの誰よりも肝が据わっていた。
アンリ二世の死後も、フランスでは宗教的対立によって内戦が続いた。夥しく流される血の海、やがて国王シャルル九世によって読み上げられた処刑宣言は、誰の耳にも黒王妃の言葉に聞こえたのだった。

生意気な嫁、忌々しい寵姫、周囲からの悪口。すべてに耐え、国王亡きあと政情不安な国を支えたフランス王アンリ二世の正室、カトリーヌ・ドゥ・メディシス。生涯黒衣をまといつづけた人生を、一人称の独白を交えて大胆に描く。
(アマゾンの紹介文より)

萩尾望都「王妃マルゴ」を読んでから、俄かにこの時代の本が読みたくなり、久々に佐藤作品に手を出しました。

佐藤賢一さんは西洋史の豊富な知識に裏打ちされた、重厚な小説を書かれます。
歴史を辿る楽しさを、十分に読者に堪能させてくれます。

でも、男性目線の蔑視的な女性描写が、時たま気なるのです。

初めて読んだ佐藤作品の「王妃の離婚」は、ちょっと下世話な娯楽小説で楽しめましたが、続いて手にした「傭兵ピエール」は、いきなり傭兵が村を襲い、略奪強姦の限りを尽くす・・というようなヘビイな出だしで、面喰いました。
しかも女性に対して妙に嗜虐的で、登場する女性人物も、首を傾げるような思考や行動をとります。
男の人の書いた小説だから、と割り切って女は気にせず読み進めてしまえば、掛け値なしに面白いんですけどね。

これが現代小説の作家だったら決して手を出さないんですが、西洋歴史小説で佐藤賢一の右に出るものはいません。

あまり女性が酷い目に遭う話はやはり憂鬱な気分になるので(「赤目」はとても無理)、比較的気力のある時に、ビクビクしながら読んでます。

閑話休題。
さて、「世界の悪女」とか「世界残酷物語」のような本に、必ず登場するカトリーヌ・ドゥ・メディシス。

「聖バルテルミの虐殺」を引き起こした張本人。

悪女として名高い彼女ですが、本書を読むと為政者として旧教派と新教派の間に立ち、ギリギリのところまで宥和政策を用いようとしていたことがわかります。

過酷な生い立ちのためもあるのか、忍耐強く、思慮深い。

特に面白かったのは、カトリーヌが息子シャルル9世の時代に貴族その他を率いて、宮廷を丸ごと移動させるような全国行脚をするのですが、この大がかりな旅行に対する著者の解釈。


(引用はじめ)

王など所詮は遠い存在でしたなかった。正当な君主であり、正当な支配者なのだといわれたところで、ピンとこない。フランスは旅程を文字にしてしまうと辟易してしまうくらい、それは広大な国だからだ。
大人になった王とやらを、千八百万フランス人の大半は自分の目で見ることができない。
「それでしたら、目にものみせてあげましょう」黒王妃はそう気勢を上げたという。
(中略)
「さもなくば、宗教が幅を利かせるだけです」とも、零したとか。
無論のこと、プロテスタントの新しい考え方だの、それ以前にカトリックの伝統的な協議だのが、正しく理解されているのではない。それでも人々が宗教に没入してしまうのは、牧師だの、神父だの、神を語る人間がすぐ身近にいるからなのだ。王国中どこにでも飛んで行って、吐息の熱さが感じられる距離から説法するからなのだ。
(中略)
支配されたいと思うのに、支配するべき王を容易に感じられない淋しさが、人々の心にはある。
巧みにつけこむ間男のようなものが、宗教という奸物なのだ。
であるならば、本物の男を目にものみせて、逆にくらりと来させてやるにかぎるのだ。

(引用終わり)

このくだりには、思わず唸りました。
この大衆の、何かに縋りたい、従いたいという欲求。現代でも通じますね。

煩雑な登場人物と複雑な人間関係、それに宗教の対立、次々と変わる王、止まない戦い、とまさに息つく間もなく読ませてくれます。

所々、カトリーヌ目線の独白が入ります。このとき彼女はこういうことを考えていたのだと。
そして彼女のモノローグは、過去へもと遡っていきます。

息子フランソワ2世の妃、マリー・ステュアール(メアリ・ステュアート)との確執、針の筵だった結婚生活、夫アンリ二世の愛妾ディアーヌ・ドゥ・ポアティエへの憎しみ。

後世悪女と言われたカトリーヌは、確かに善人ではないし、結果的に聖バルテルミの惨劇を引き起こしましたが、この作品ではとても人間味あふれる人です。
太っ腹なようでいて、実は意外と人間が小さい。
過去の怨念、特に夫の愛妾ディアーヌに対する憎しみに、最後まで捉われていたような。

ここからちょっと、毒を吐きます。
(佐藤賢一さんの熱狂的なファンで、否定的な感想を不愉快に思われる方は、どうかここでお戻りください。)


とても読みごたえがあり、面白かったのですが、腑に落ちない点もあります。
それはカトリーヌの侍女集団「女官遊撃隊」の描かれ方、そして彼女らに対するカトリーヌの態度です。

カトリーヌは若く見目麗しい貴族の娘を集め、彼女らを有力者のもとへ送り、愛人にさせ、相手方から情報を引き出していたといいます。彼女らは「遊撃隊」と呼ばれていたといいます。
要はスパイです。

ところが、この作品の遊撃隊の女性たち、何だかとても頭悪そうなんです。
美しいけど媚を売るだけしかできない、出来の悪いホステスみたい。

馬鹿な女に諜報活動は出来ませんよ。

遊撃隊の一人、ラ・ベル・ルーエなどは、ナヴァール王を陥落させただけでなく、王を見事に自陣営に組み入れ、カトリックに改宗させることまで成功させているのです。
綺麗なだけのチャラチャラしたおバカさんに、到底出来ることではありません。

若く美しいだけが取り柄の馬鹿な女に、鼻の下を伸ばしてまんまと操られる男がいたとしたら、その男はもっと馬鹿です。
海千山千の、権力者である大貴族や王族の男が、そこまで阿呆なわけがない。

籠絡された振りをして、逆に女から母后カトリーヌの情報を探り、ポイ捨てぐらいのことはされるのではと思ってしまいます。


遊撃隊、特にラ・ベル・ルーエには、もっと頭の切れる女であって欲しかったです。
美しく恋多き女=媚媚、舌足らず、クネクネ、甘ったれ・・・というのは、作者の女性観で??

女の描写を気にしていては、佐藤作品は楽しめないと思いつつも、もっと気になることが。

カトリーヌがナヴァール王のスパイをさせている侍女ラ・ベル・ルーエに、「お前、そろそろ王と寝なさい」という命令をする場面があります。

嫌がる彼女に、カトリーヌは言います。
「お前のような女、もちろん処女じゃない。亭主だけしかしらないって玉じゃない。識ってる男が一人より多いなら、あとは何人と寝たってかまわないじゃないか」

カトリーヌさん、あなた、セクハラオヤジですか??

若い娘のしかける、このハニートラップ。
相手は自分よりはるか年上の権力者。しかもルーエさんは結果的に妊娠・出産までしています。
まさに命がけの指令です。

私ならこんなパワハラ、セクハラ連発の、オヤジ臭い女上司に、それほどの忠誠は誓えません。
私がルーエなら、ナヴァール王側に寝返って、カトリーヌの情報や企みを全てばらしてやる、ぐらいの勢いで怒りまくると思います(笑)。

その後、コンデ公がやはり遊撃隊の女を一時期寵愛したけれど、別の女性との結婚を期に遊撃隊の女をカトリーヌの許へ送り返してくる場面があります。
カトリーヌはこれを、「女を馬鹿にしているからだ、ものと同じに考えているからだ」激怒します。

どの口が言うか。カトリーヌさん

「逆に女が男を手玉に取るのが許されるのは、相手を認めて、こちらも少なからぬものを賭けているからなのだ」

カトリーヌさん、よく分かりません。
少なからぬものを賭けているのは、貴方じゃなくて侍女だし。
自らが傷つかないのは、あなたもコンデ公も同じでは。


フランス女は多情で恋の駆け引きがうまく、イタリアの女は子どもを産むと「マンマ」になる。
と、カトリーヌはいうけれど、たとえ恋多き女だって、「売り」には抵抗あるでしょう。

遊撃隊の侍女が自分の体を張ってまで、忠誠を誓い仕える女主人カトリーヌは、もっと彼女らの尊敬を集めるような人物でないと。
カトリーヌは自分に仕える侍女をもっと大切に扱わないと。

遊撃隊などと大仰に呼ばれても、所詮は皆、貴族の娘。
イタリアの平民出身の、下品なパワハラ王太后の侍女など辞めて、もっと楽な生き方を探しますよ?

最後にやっぱり女性の描かれ方についてケチをつけてしまいましたが、歴史物語として読みやすく、とても面白いことに変わりはありません。

この作者には、もう女を出来るだけ出さないか、あるいは背景に徹させて、男だけの骨太な歴史作品を書いてほしいです。
信長が女だったとか、もういいですから。。

黒王妃黒王妃
(2013/02/01)
佐藤賢一

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メロディ4月号

「秘密」スピンオフシリーズは、今号で終わる予定だったんですね。

柱に清水先生の「ごめんなさい 嘘つきました。 ごめんなさい。 ごめ(一回分の延びました)」というメッセージがありました。

ごめ、で終わるところがなんか楽しいw

ヤング薪さんシリーズが延びるのは、大歓迎です!


しかし、今号の展開。。

何故薪さんがあれほど美形なのに、自分の容姿に無頓着なのか(私服も未成年と間違われるぐらいだし)、理由を見つけたように思います。

薪さんそっくりの容姿の男が、あの所業・・・、ちょっと受け付けませんでした。

同情する点はあるにしても、自分が酷く辛い目にあったり、冷たい仕打ちを受けて傷ついたとき、他人を妬んで自分と同じ思いをすればいいと思うか、それとも人に自分が経験したような辛い思いをさせまいと思うかで、その人の真価が問われると思います。

澤村さんは前者で、薪パパは後者ですね。

それでも澤村さんは、薪さんを大切に思っているのかなあ。

過去の所業と薪さんへの愛が結びつかないのです。

自己愛が強いから、自分そっくりの薪さんが可愛いのかな??

またしても「洗礼」を連想してしまう。。


鈴木さんはあの真っ直ぐな所が、やはり青木そっくりです。

この先にあんな悲劇が待ち受けていると思うと、もうね・・(泣)。

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