三毛犬ジョニーへの伝言

旧「自堕落な蟻」 ブログ名変えました。ジョニーは昔飼っていた可愛いビーグルの名前です。

「リカ」 五十嵐貴久

リカ (幻冬舎文庫)リカ (幻冬舎文庫)
(2003/10/10)
五十嵐 貴久

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妻子を愛する42歳の平凡な会社員、本間は、出来心で始めた「出会い系」で「リカ」と名乗る女性と知り合う。しかし彼女は、恐るべき“怪物”だった。長い黒髪を振り乱し、常軌を逸した手段でストーキングをするリカ。その狂気に追いつめられた本間は、意を決し怪物と対決する。単行本未発表の衝撃のエピローグがついた完全版。第2回ホラーサスペンス大賞受賞。
(アマゾン紹介文より)

怖い怖いと噂の本書。
とうとう読みました。
読み出したら止まりませんでした。

私が女だからなのもあるでしょうが、前半の展開は愉快でしょうがなかったです。
家庭がありながら出会い系サイトでお手軽な遊び相手を見つけようなどという不届き者は、痛い目にあって当然なのです
ホラーコメディかと思って読んでいました。

が・・、後半から笑える展開ではなくなりました・・(汗
リカよ。子供には手を出すな。

この女の目的は無論、正体がよくわからないところが怖さを倍増させます。
主人公が彼女に何かしたわけでもないのに、徹底的に追い回されて生活を破壊される理不尽。

望月峯太郎の「座敷女」にもよく似ていますね。あれも怖かったなあ。。

ところで、なんでリカは臭いんだろう・・?

あと本筋とは関係ありませんが、主人公の娘もその同級生も、小学校一年にしては幼いかな?
小学一年の、まして女の子はもっとしっかりとお話しすると思います。

続編もあるらしいですね。。
リカは結局この後どうなったんだろう。
気になるから探してみようかな。




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「ハピネス」 桐野夏生

三十三歳の岩見有紗は、東京の湾岸地区にそびえ立つタワーマンションに、三歳二カ月の娘と暮らしている。結婚前からの憧れのタワマンだ。
おしゃれなママたちのグループにも入った。そのリーダー的な存在は、才色兼備の元キャビンアテンダントで、夫は一流出版社に勤めるいぶママ。
他に、同じく一流会社に勤める夫を持つ真恋ママ、芽玖ママ。その三人とも分譲の部屋。しかし有紗は賃貸。そしてもう一人、駅前の普通のマンションに住む美雨ママ。
彼女は垢抜けない格好をしているが、顔やスタイルがいいのでいぶママに気に入られたようだ。
ある日の集まりの後、有紗は美雨ママに飲みに行こうと誘われる。有紗はほかのママたちのことが気になるが、美雨ママは、あっちはあっちで遊んでいる、自分たちはただの公園要員だと言われる。
有紗は、みんなには夫は海外勤務と話しているが、隠していることがいくつもあった。
そして、美雨ママは、有紗がのけぞるような衝撃の告白をするのだった……。
「VERY」大好評連載に、新たな衝撃の結 末を大幅加筆!
(アマゾンの紹介文より)

豊洲からゆりかもめに乗ると、天高くそびえ立つマンション群が見えます。
お洒落で綺麗、清潔そう。でも生活感のない蜂の巣みたいなタワーマンション。
そこに住む若いお母さん方のお話です。

基本みんな裕福ですが、そこには小さなグループの中でも、ごく小さな差異(同じマンションでも西棟か東棟か、分譲か賃貸か)で差別化して内々で見下したり・・・、よくある見栄っ張りで視野の狭い人たちの小競り合い。

と、上から目線で評してみましたが、こういう小さな内紛は小説の中の作り事ではなく、意外に身の回りにあるんです。

相手の着ているもの、持ち物財布靴などを、さっと見て値踏みするような人、結構いませんか?
質の好いものは身に着けることは良いことなのですが(そのほうが長持ちするし)、他人に上等な人間と思われたいために、お金持ちと思われたいためにブランド武装するのは、正直言ってさもしい。

この本のラストでママ友のあこがれの的だったいぶママ(伊吹ちゃんという女の子の母)にある出来事があり、タワーマンションを引っ越していくのですが、豪奢な一軒家に越していったはずのいぶママの家が実は・・!というオチがあります。
こういう人種が好きではない私は、「それがどうした~!俗物どもめ」と思いました(笑)。

いつものキリノの毒はかなり薄めでした。「VERY」に連載されていた小説ということで、納得です。
ファッション誌に「グロテスク」や「残虐記」のようなダークな作品は書けないでしょう。。
後味は悪くなかったけど、ちょっと物足りなかったかな。

主人公の有紗にはあまり共感できませんでしたが、「子供をまた奪われたらどうしよう」という恐怖は同じ子を持つ母としてよく分かります。
かなちゃんが不幸にならなくてよかった。
そして冷たい人かと思われた夫の両親が立派すぎです。
思慮深いし、言っていることは正論。そして優しさもある。

本当にレベルの高い人間とは、俊介の両親のような人だと思いました。

ハピネスハピネス
(2013/02/07)
桐野 夏生

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