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三毛犬ジョニーへの伝言

旧「自堕落な蟻」 ブログ名変えました。ジョニーは昔飼っていた可愛いビーグルの名前です。

2016年08月 の記事一覧

映画「秘密」

前に漫画の実写化で、面白いと思ったものはほとんどない、「秘密」も正直不安と書きました。
清水先生は大友監督を褒めていらっしゃるけれど、ネットで上がってくるレビューは、酷評の山また山!
やっぱりこれは失敗作だったのかと思っていました。

そして、ヤフーレビューでは公開前にすでに、最低の1評価がレビューを書くことなく大量につけられていました。
6月に行われた試写会を観た方たちなのでしょうか。たとえ映画に失望したとしてもレビューなしの最低評価とは。
後に「原作ファンが激怒している」という記事をネットで見ました。
でも、私の知る限り原作ファンはどのような感想にせよ、映画をしっかり観て評価しているようなので、無言大量レビューを投稿したのはどんな人たちなんだろう、「秘密」にもアンチというものがいるのだろうか、と首をかしげました。


それはさておき、酷評レビューを先に読んだせいで、少々身構えながら観に行った「秘密」でしたが、私は想像していたよりもずっと楽しめました。
「秘密」の実写化と思わず、登場人物の名前と「死者の脳を見る」という設定以外まるで別の話と思えば、決してつまらなくはなかったです。

清水先生がおっしゃってた通り、MRIの映像は見ごたえありました。
大友監督の作品を今まで恥ずかしながら観たことがないのですが、映像や美術に凝るタイプとお見受けしました。
レトロな外観の第9、露口家の内装、絹子の衣装も凝っていて、視覚的に楽しい。

ただ、貝沼事件と絹子事件を結び付けている上、独自のキャラクターやエピソードを足しているので、やはり多少わかりにくい面もありました。
長いフィルムをやっと2時間半に編集したそうなのですが、後半は場面の切り替わりが唐突だったりと「ぶつ切り感」も。

原作は貝沼は見た目小汚いふつーのおじさんで、それが実はとんでもない異常性を秘めているところに怖さがあるのですが、映画では明らかに「怪しい人」。視覚に訴える映画では、そのほうがいいと思われたのでしょうか。。
絹子は最初からサイコパスという設定。この絹子を演じた女優さんが、なかなかいい意味で「生臭い」。
原作の透き通った感じの美少女絹子とは、まるで正反対の印象でした。
そして絹子の父親を演じた椎名桔平さんが、ほとんどセリフがないにもかかわらず、素晴らしかった。
絹子と危ない一線を越えるシーンでの、絶妙な表情の変化は本当に見事でした。

おおむね私はこの映画を楽しめたのですけど、これだけは残念と思ったのが、犬の脳の映像。
物語の救いとなる犬の視点の映像は、原作通りに「いつも平井少年だけを見ていた」ものにしてほしかったです。

映画での映像は、みんなが犬に笑いかけ、やさしさに溢れた美しい光景になっています。
これはこれでいいのですが、ここに描かれているのは、犬に対する人の優しさです。
私は犬のほうが人よりも、ずっと純粋で愛情に溢れていると思うのです。
犬には飼い主が全てです。
盲目に生まれ、不幸な事故で亡くなった平井少年が、犬の目にはいつも優しく笑っている。
ZIPの優しさは、この怖い物語の救いなんです。
映画と原作は別物なのは、重々承知なのですが、ここは「秘密」で最も私が涙を絞られたシーンで思い入れがあったので、原作通りが良かったなあ、と。

文句をつけてしまいましたが、目を覆うような残酷なシーンもあるけれど、視覚的に楽しくて私は楽しめました。
生田さん岡田さん、松坂さん栗山さんらも、役にはまっていました。
正直分からないところもあったので、DVDが出たら買います。

原作を知らずに映画を観た方たちが、これで清水作品に興味を持って下さることを、切に願っています。












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