三毛犬ジョニーへの伝言

旧「自堕落な蟻」 ブログ名変えました。ジョニーは昔飼っていた可愛いビーグルの名前です。

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狂人の脳を見る。

テレビで酷い事件のニュースなどを見ると、「こういう犯罪を犯す犯人は、いったいどんな頭の構造をしているんだろう」と思うことがあります。

コメンテーターや心理学者などが、親の溺愛が原因だとか、母親の死が原因だとか、逆に幼児のころ十分な愛情を受けなかったのがいけないとか、厳しく育てられすぎたのがいけないとか、はたまたゲームや残酷な映画を見たのがいけなかったとか、侃々諤々ですけれど、それは結局「後出しジャンケン」じゃないかと思うのです。
親に愛されたことで、心に余裕を持った大人になる人もいるだろうし、親の死にあっても強くまっとうに育つ人の人が圧倒的に多いでしょう。
厳しく育てられたことで、萎縮した大人になる人もいれば、かえって人に対して思いやりのある人になるひともいるでしょう。
自分を育てるのは、結局は自分自身です。親などの環境はその手助けをしているに過ぎません。
こういうコメンテーターは、つまり「もとは凶悪犯も普通の善良な人間だった」といいたいのかな・・・?

閑話休題。

清水玲子の「秘密2001」は、狂人・・連続殺人犯の脳を見ることをテーマにした作品です。

この話で、「秘密」シリーズの主人公、薪警部正と、新人青木一行が初登場します。
物語は前作から五年後の設定です。警察には、異常な死を遂げた人や凶悪犯の脳をMRIスキャナーを使って見ること、その中から隠された真実を見つけること・・を職務とした「法医第九研究室」というものが存在します。

この「第九」に、28人の少年を残虐に殺した凶悪犯、貝沼の脳が持ち込まれたことに、新たな問題が生じます。
連続殺人犯貝沼の脳に記憶された映像を見た5人の捜査員は、三人が死亡、一人は発狂してしまいます。それほど強烈な、恐ろしい「画」だったのです。
薪警部は貝沼の脳を見た、最後の一人でした。
薪は貝沼の犯罪に、大きな良心の呵責を感じていました。彼は犯罪を犯す前の、善良だった?ころの貝沼に会ったことがあったのです。。

これと平行して、テレビで盛んに流れるある映像、皇室の結婚式の映像(未来の設定なのでこれも架空の皇室です)を観た10人の少年たちが、次々と自殺する、という事件が起こります。
死んだ少年たちの脳に残された映像を見ると、皆「追跡妄想」・・こういうものに追われたら怖い、と本人が感じているものに追われる。いじめっ子だった少年なら、イジメを苦にして自殺した少年の幽霊に追われる・・・によって自殺していたことがわかります。

10人の少年たちは皆、一時期同じ少年院にいたことがあり、しかも、全員あの貝沼と接触があったのです・・・・!

並行する2つの事件、薪警部正と貝沼との関わりが交錯し、息つく間もなく一気に読ませてくれます。
漫画と小説の手法の違いはありますが、宮部みゆきのミステリーや高村薫の警察小説と並べても、遜色ないのではないでしょうか。
ストーリーテラー清水玲子の本領発揮です。

作中、貝沼の記憶を見るシーンは、かなりショッキングではありますが、清水玲子の流麗な画風で救われています。

以前紹介した前作「秘密1999」と本作「秘密2001」は、白泉社から「秘密ートップシークレット1」として単行本で発売されています。
発売当初、あっという間に品切れになり、なかなか手に入らなかったといういわくつきの本です。
・・初版部数が少なかったのかな?今ではよく書店で目にします。

ご興味をもたれた方は、ぜひご一読を!
秘密―トップ・シークレット (1) 秘密―トップ・シークレット (1)
清水 玲子 (2001/12)
白泉社

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