三毛犬ジョニーへの伝言

旧「自堕落な蟻」 ブログ名変えました。ジョニーは昔飼っていた可愛いビーグルの名前です。

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「輝夜姫」と「子羊」

これもまた「輝夜姫」と設定が似ているというウワサの、短編小説を読みました。

篠田節子「子羊」。

やはり近未来の設定の話です。
荒廃しきった未来の世界。「神の子」とよばれる少年少女たちは外の世界と遮断された、安全な施設で、十分な食事を与えられ、静かに生活していた。
彼らには、名前も与えられていない。ただ与えられるものを受け入れ、考えることも疑うことも、罪として教えられていた。
そして、彼らは16歳が近づくと、「他者のための生を生きるために」施設から消えていく。

主人公の少女、M24も、そうした「神の子」の一人だった。
彼女は、外の世界から来た小汚い笛吹きの少年に会って、それまでの自分の在り方に、疑問を抱き始めていた。
笛吹きの少年は彼女に、衝撃的な告白をする。
「逃げて!君はもうすぐ、殺される。この施設は、金持ち達に、臓器を提供するために、子供を育てているんだ」

M24は、遺伝子上の血縁に、臓器を移植するために、意図的に製造されたクローンだったのだ。

彼女は悩む。今までのように何も考えず疑わず、「神の子」として、施設の人間の言うところの、「他者のための生」のために死を受け入れるか、それとも笛吹きの少年とともに、汚く危険な下界に飛出して、生きるか・・・??

結末を言わずに大体のあらすじを話すと、こんな内容です。

「子羊」は、「輝夜姫」にクローンの話が掲載されてから、およそ半年後に「SFマガジン」に掲載されました。

確かに設定が、良く似ています。。

お金持ちの血縁のために作られたクローンが、安全な「施設」で、育てられ、16歳未満で姿を消していく・・という設定。

でも、私はアイデアの盗用とまでは思いませんでした。

たとえ「素材」に共通点があるにしても、「子羊」は、その後の調理法がまったく違ったものになっているからです。

何も考えず、疑わず、安穏に暮らしてきた今の状況を受け入れるか?
疑うこと、考えることは、苦しい。そして、外の世界は、危険で不潔で、何が起こるかわからない。
しかし、それでも・・・!

ヒロインが「決断」を迫られるラストは、なかなか感動的でした。
面白い小説です。

裏の世界では、臓器を目的に、子供が誘拐される事件が実際に起こっているそうですから、こうした実体を背景に、篠田氏も想像を膨らませたのかもしれません。
「輝夜姫」との類似は、あるいは偶然かも。

「アイランド」も、このぐらい見事に、独自のストーリーを展開してくれているなら、ぶ~ぶ~言いませんよ(笑)。



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