三毛犬ジョニーへの伝言

旧「自堕落な蟻」 ブログ名変えました。ジョニーは昔飼っていた可愛いビーグルの名前です。

のはらひめ なかがわちひろ作

5歳の末娘は、ボーイッシュな姉と違って、「乙女」です。

フリルのついたピンクや赤の服でないと、頑として着たがらず、外で遊ぶよりも家で出来る人形遊びやお絵かきが好きです。

絵本も「王子様」だの「お姫様」が出てきて、最終的に幸せな結婚をしました、というお話だと、目を輝かせて、何度も何度も読んでとせがまれます。

「シンデレラ」だの「眠れる森の美女」だの「おやゆびひめ」だの「しらゆきひめ」だの、もう本を見ずに読み聞かせ出来るほど、何度も読まされました。

長女はこの手の絵本にはまるで興味なし。こどものかがくのほんだと目を輝かすのですが・・・、同じ親から生まれてきた年子姉妹なのに、不思議です。この、もって生まれた個性の違い。


先日図書館で、「のはらひめ」という絵本を見つけました。
絵も可愛く、主人公は「マリちゃん」という名前。
末娘と同じです。

古典的な「おひめさまもの」は読みつくしてしまったし、これならもしかしてマリコも気に入るのではないかと、借りてきました。

おひめさまになりたい、なりたいと願っていたマリちゃんのもとに、ある日金色の馬車が現れます。
「おむかえにあがりました。あなたこそすばらしいおひめさまになられるかたです」

マリちゃんは沢山のドレスや着物の中から自分の好きなドレスを選ばせてもらい、沢山の侍女にお世話をしてもらいます。

ここまではうちのマリちゃんも目を輝かせて絵本を見つめていました。

ここから絵本のマリちゃんは、おひめさまになるための修行をさせられます。

上品な笑い方。

上品な食べ方(お箸、ナイフとフォーク・手づかみ等世界各国の食事マナー)

上品な寝かた(お布団の下の豆粒に気がつかなくてはだめ)

どの国の王子様ともお話できるように、いろんな国の言語が話せなくては駄目。

どの国の王子様が一番大きいか、一番お金持ちかが分かるように、世界地図や算数のお勉強もできなくては駄目。

もしかしてカエルが王子様に化けているかもしれないから、本物を見分ける訓練も大切。

プロポーズをお断りするときにはとけるはずの無い問題をだせば、すべてまるくおさまるはずだから、なぞなぞや問題を山ほど覚えておかなければいけない。


極めつけは、竜ややまたのおろちといった怪物が襲ってきたとき。
危機のときに王子様が助けに来てくれるとは限らない。誰も来なかったら一人で何とかするしかない、と、マリちゃんは戦いの修行もさせられます。

全ての修行が終わり、マリちゃんは晴れて「おひめさま」になる資格を得ます。

「あなたさまなら どんなおひめさまにも おなりになれますよ。
 さあこのなかから、すきなおひめさまをおえらびください」

紙には歴代の有名お姫様(シンデレラ・おとひめ・おりひめ・いばらひめ・かぐやひめ・・・)の名前が並んでいます。

マリちゃんはしばらく考え込んだ挙句、「のはらひめ」と署名し、呆気に取られるみんなに手を振って、「おひめさま城」を去り、もとの自分の世界の、おうちの前の野原に戻るのでした。


この絵本はつまり、古典的お姫様の底に隠された、計算高さ、いやらしさを暴いたお話なのでした。

これではまるで、アラサー女の婚活のようではないですか。
(もののたとえです。30前後の方、どうか気を悪くなさりませんように

これは「百万回いきたねこ」と同じく、実は大人向けで、子供にはよく意味が分からないのではないか?と案じたのですが、

果たして、うちのマリコちゃん。

「これ、きらい。」

と、二、三度読んだだけで、もう開こうとはしませんでした。

「お姫様願望」に潜む媚びた嫌らしさに、彼女は本能的に気がついたのかどうか?


乙女マリコよ。

計算姫でもいい。

たくましく生きよ。

のはらひめ―おひめさま城のひみつのはらひめ―おひめさま城のひみつ
(1995/05)
中川 千尋

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