三毛犬ジョニーへの伝言

旧「自堕落な蟻」 ブログ名変えました。ジョニーは昔飼っていた可愛いビーグルの名前です。

12月読了本

・松浦理英子「裏バージョン」
この主人公は、著者自身なのかな
レズビアンで、マゾヒストだという主人公の書いた、連作小説。
なかなか読者を選ぶ作家だなあ、と感じました。
面白くなくはないけど、全部読むのがちょっと難儀でした。

・諸田玲子「かってまま」
・諸田玲子「氷葬」
「末世炎上」を読んだときも感じたけれど、諸田さんの時代小説は現代とリンクしているんですね。
「氷葬」はまるで現代のミステリー小説のようで、息つく間もなく読ませてくれます。
「かってまま」は連作小説ですが、表題作の主人公は江戸時代なら三行半を突きつけられそうなぐうたら主婦でした。
・・・まるで、現代のだらしない主婦・・、私のようです
一番良かったのが飯盛女が主人公の「だりむくれ」
社会の最底辺を這うように生きている人間が、人に対する情けを忘れず、自分を犠牲にしても弱きものを助けようとするお話。
優しさを忘れない人は、やっぱり好きです。

・近藤史恵「エデン」
前作「サクリファイス」ほどではないものの、面白かったです。
フィンランドは隣の隣の国か。。

・篠田節子「ゴサインタン」
長い小説でした。
そして読み進むごとにお話のカラーが変わってしまうので、「一体どこに着地するんだろう」と不安になりました
淑子、もといカルバナ・タミとは、一体何者だったのか?
彼女が日本で行っていた一連の宗教めいた行為にも、謎が残ります。
でも、一度全てを失い、再生していく主人公の目線で物語の終盤を追うと、凡百の小説では味わえないような爽快感がありました。

・桜庭一樹「砂糖菓子の弾丸は撃ち抜けない」
はじめて読んだ桜庭作品は、爽やかな青春小説の「荒野」でした。
同じ子どもを扱ったものとして、似たようなお話を予想していたので、「砂糖菓子~」には面食らいました。
淡々と描かれる、子どもたちへの暴力の凄まじさ。。
辛かった。

・百田尚樹「風の中のマリア」
何とオオスズメバチのメス、マリアを主人公に、働き蜂の一生を描いた「風の中のマリア」
ただの擬人化小説ではありません。
「ハッチ」のようなお涙頂戴でもありません。
生きることは、戦うこと。他の命を犠牲にしても、戦って生き抜くこと。とこの本は嫌というほど教えてくれます。
蜂全てに、デコラティブな名前が付いているのも楽しい。


同じく百田尚樹「モンスター」

奇形的なまで醜い主人公が、美容整形によって完璧な美貌を手に入れ、辛い思い出しかない故郷に帰り、かって自分を嘲笑い、貶めた者たち一人一人に復讐していく・・。
酷く醜いことによる悲運や苦しみ、孤立感がリアルに描かれ、読んでいて辛かったです。
でもその分、何が目的というわけでもなく、ただ「美しくなる」ために整形を繰り返す主人公の気持ちもまたリアルに感じました。
ラストはちょっと拍子抜けしてしまいましたが。
この本では整形手術というものがとても肯定的に書かれていて、読んでいると「私もシミ取りぐらいならしてみようか」と思ってしまいました。
姫野カオルコ「整形美女」と読み比べてみるのも一興です。
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