キリギリスのように一芸に秀でているわけでもなければ、蟻のように勤勉でもない、3人の子持ち主婦です。 日々の戯言や雑感を、映画のレビューや小説などの感想も絡めて、書き残したいと思います。

「あなた」乃南アサ
「凍える牙」で、直木賞を受賞した、乃南アサの作品。


乃南アサは、好きな作家の一人です。

特に女刑事音道貴子ものは、大好きです。

不細工で無愛想な老刑事滝沢との掛け合いのある作品なら、なおいい。

「凍える牙」「鎖(一押し!)」、短編の「木綿の部屋」、などは何度も読み返しました。

現在「週刊新潮」でも、乃南さんは、音道&滝沢コンビが出ている小説を連載中なので、楽しみに毎週読んでいます。


さて、「あなた」。

文庫上下巻が書店で平積みになっていたので、読みやすそうだったし、乃南アサならそうハズレはないだろうと、買ってみたんです。

しかし・・・

読み終わった感想は

「何だこれ」

でした。

主人公の浪人生(これがまた嫌な奴)が、悪霊らしきものに捉われる。

彼はその正体が、自分が別れたがっている恋人だと早合点する。

何故なら彼には、エキセントリックな、新しい彼女が出来ていた。

新しい彼女は、彼には「ふくろうのように見える何か」が憑依していると言う(霊感少女なんですね)。

すったもんだがあって、元カノと別れた主人公(新しい彼氏が出来たという。まあどっちもどっち)。

だが・・・。その後も霊らしきものに、主人公は襲われ続ける(エッチっぽいことまで)。


読み終わるのに2冊合わせても2時間はかかりません。

脚本かなにか?と思うほど、登場人物の台詞が多い。

これは「新潮ケータイ文庫」というものだったんですが、スカスカな印象を受けるのはそのせいなのでしょうか?

電車の中などで、ちょこちょこケータイで読んでも話がつながるように、出来るだけ簡単に書いてあるのかもしれません。

無理して最後まで読んだけれど、予想外のオチはありませんでした。

つまらなかったです。

これなら、わざわざ文庫本にする必要がないんじゃないかと思いました。

駄作の少ない作家と思っていた乃南さんですが、これは失敗作です。

あなた〈上〉 あなた〈上〉
乃南 アサ (2006/01)
新潮社

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